この記事では、被扶養者に関する保険給付を解説しています。
社会保険労務士試験の独学、労務管理担当者の勉強などに役立てれば嬉しいです。
記事中の略語はそれぞれ次の意味で使用しています。
- 法 ⇒ 健康保険法
- 令 ⇒ 健康保険法施行令
- 則 ⇒ 健康保険法施行規則
- 保険者 ⇒ 協会けんぽ及び各健康保険組合
- 病院等 ⇒ 病院又は診療所
- 保険医療機関等 ⇒ 「保険医療機関又は保険薬局」「事業主医療機関等」「健康保険組合が開設する病院等」の総称
- 事業主医療機関等 ⇒ 特定の保険者が管掌する被保険者に対して診療又は調剤を行う病院等又は薬局であって、当該保険者が指定したもの
- 健康保険組合が開設する病院等 ⇒ 健康保険組合である保険者が開設する病院等又は薬局
当記事は条文等の趣旨に反するような極端な意訳には注意しております。ただし、厳密な表現と異なる部分もございます。詳しくは免責事項をご確認ください。
概要
被保険者が資格を喪失し、かつ、日雇特例被保険者の被扶養者となった場合(法98条の特別療養給付)は考慮しないで解説します。
また、健康保険組合の付加給付(法53条)も考慮していないため、ご了承ください。
下表の「被保険者」欄における保険給付が「被扶養者」欄の保険給付に対応します。
| 項目 | 被保険者 | 被扶養者 |
| ① | 療養の給付 入院時食事療養費 入院時生活療養費 保険外併用療養費 療養費 | 家族療養費 |
| ② | 訪問看護療養費 | 家族訪問看護療養費 |
| ③ | 移送費 | 家族移送費 |
| ④ | 埋葬料(又は埋葬費) | 家族埋葬料 |
| ⑤ | 傷病手当金 | なし |
| ⑥ | 出産手当金 | なし |
| ⑦ | 出産育児一時金 | 家族出産育児一時金 |
| ⑧ | 高額療養費 高額介護合算療養費 | 同左 |
保険給付の内容は、基本的には被保険者と被扶養者とで同じです。
- ①については、被保険者に対する五つの保険給付を合せたものが、家族療養費となります(保険給付の内容は同じです)
- ②③⑦⑧は、被保険者、被扶養者に共通する制度です。
- ④については、埋葬料(又は埋葬費)は埋葬を行う者(又は埋葬を行った者)に支給されますが、家族埋葬料は被保険者に支給されます。
- ⑤⑥は、被扶養者に関する保険給付はありません。
被保険者についての①~⑧の解説は、こちらから各記事をご参照ください。
なお、任意継続被保険者に⑤⑥(継続給付を除く)は支給されませんが、⑤⑥以外の保険給付は、被扶養者に関するものを含めて、上表と同じく支給されます。
被扶養者に関する保険給付は、すべて被保険者に対して支給されます。
とはいえ、病院等の窓口や指定訪問看護事業者への支払いは、立替払いが前提とならないよう制度化されています。
条文はタブを切り替えると確認できます。

家族療養費(療養費に相当するものを除く)の現物給付|
被扶養者が病院等の窓口で3割負担するケースで解説します。
- 「被保険者に保険給付を支給する」を徹底するならば、被扶養者は病院等の窓口で10割を負担します。その後、保険者は7割の部分を家族療養費として被保険者に支給します。
- 本来なら①ですが、保険者は、7割の部分(家族療養費として被保険者に対し支給すべき額)を限度に、被保険者に代わり病院等に支払うことができます(法110条4項)
- ②により7割の部分を病院に支払った場合は、被保険者に対し家族療養費の支給があったとみなします(法110条4項)
②③の結果として、被扶養者が病院等の窓口で支払う金額は、被保険者と同様に費用の3割となります。
なお、②は「できる」旨の規定ですが、結論としては②の方法で支払うことになっています(則93条)
(厳密には、②③は「保険医療機関又は保険薬局」及び「事業主医療機関等」についての規定です。「健康保険組合が開設する病院等」については、①の窓口負担のうち7割の部分の支払を免除することで、被保険者に対し家族療養費の支給があったとみなします)
療養費に相当する家族療養費については、その性質上、「みなす」ではなく被保険者に直接支給されます。
家族訪問看護療養費の現物給付|
家族訪問看護療養費についても①~③と同旨の規定により、現物給付として支給されます(法111条3項により準用する法88条6項及び7項)
保険者は、保険給付の額を限度に、被保険者に代わり指定訪問看護事業者に支払うことができ(施行規則により支払うことになり)、当該支払があったときは、被保険者に対し家族訪問看護療養費の支給があったとみなします。
健康保険法
第百十条(家族療養費)
4 被扶養者が第六十三条第三項第一号又は第二号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局から療養を受けたときは、保険者は、その被扶養者が当該病院若しくは診療所又は薬局に支払うべき療養に要した費用について、家族療養費として被保険者に対し支給すべき額の限度において、被保険者に代わり、当該病院若しくは診療所又は薬局に支払うことができる。
5 前項の規定による支払があったときは、被保険者に対し家族療養費の支給があったものとみなす。
6 被扶養者が第六十三条第三項第三号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局から療養を受けた場合において、保険者がその被扶養者の支払うべき療養に要した費用のうち家族療養費として被保険者に支給すべき額に相当する額の支払を免除したときは、被保険者に対し家族療養費の支給があったものとみなす。
第百十一条(家族訪問看護療養費)
3 第八十八条第二項、第三項、第六項から第十一項まで及び第十三項、第九十条第一項、第九十一条、第九十二条第二項及び第三項、第九十四条並びに第九十八条の規定は、家族訪問看護療養費の支給及び被扶養者の指定訪問看護について準用する。
第八十八条(訪問看護療養費)
6 被保険者が指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けたときは、保険者は、その被保険者が当該指定訪問看護事業者に支払うべき当該指定訪問看護に要した費用について、訪問看護療養費として被保険者に対し支給すべき額の限度において、被保険者に代わり、当該指定訪問看護事業者に支払うことができる。
7 前項の規定による支払があったときは、被保険者に対し訪問看護療養費の支給があったものとみなす。
健康保険法施行規則
第九十三条(家族療養費の支払)
被保険者の被扶養者が第九十条において準用する第五十三条、第五十四条、第九十九条、第百三条の二第五項又は第百五条第四項の規定により法第六十三条第三項第一号又は第二号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局から療養を受けた場合においては、法第百十条第四項の規定によりその被保険者に支給すべき家族療養費は当該病院若しくは診療所又は薬局に対して支払うものとする。
第九十四条(家族訪問看護療養費の支給)
第五十三条、第六十五条、第六十九条、第七十一条、第七十二条及び第八十三条の規定は、家族訪問看護療養費の支給及び被扶養者の指定訪問看護について準用する。この場合において、第五十三条第二項中「被保険者が法第七十四条第一項第二号又は第三号」とあるのは「被扶養者が法第百十条第二項第一号ハ又はニ」と、「一部負担金の割合」とあるのは「百分の百から法第百十条第二項第一号ハ又はニに定める割合を控除して得た割合」と読み替えるものとする
第七十一条(訪問看護療養費等の支払)
被保険者が法第八十八条第三項の規定により指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けた場合においては、同条第六項の規定によりその被保険者に支給すべき訪問看護療養費は当該指定訪問看護事業者に支払うものとする。
以上をふまえて、被扶養者が受けた療養について、病院等の窓口で負担する割合を「被扶養者の自己負担の割合」と表記しています。
(試験勉強においては、「一部負担金」と区別してください)
家族療養費

- 被扶養者が保険医療機関等のうち自己の選定するものから療養を受けたときは、被保険者に対し、その療養に要した費用について、家族療養費を支給する(法110条1項)
- 法63条(療養の給付)、法87条(療養費)の規定は、家族療養費の支給及び被扶養者の療養について準用する(法110条7項)
(下段の規定は抜粋です)
被扶養者と認定される前に生じた疾病等についても、被扶養者として療養を受けるのであれば、保険給付の対象です(昭和23年11月8日保険発569号)

家族療養費の額(保険給付の額)は、次の①~③となります(法110条2項)
- 療養(食事療養及び生活療養を除く)につき算定した費用の額(*1)に、被扶養者の区分に応じ、7割又は8割を乗じて得た額
- 食事療養につき算定した費用の額(*1)から、食事療養標準負担額(*2)を控除した額
- 生活療養につき算定した費用の額(*1)から、生活療養標準負担額(*2)を控除した額
(*1)療養につき算定した費用の額が、現に療養に要した費用の額を超える場合は、当該現に療養に要した費用の額
(*2)被保険者と同様に、所得の状況その他の事情をしん酌して一定の基準にある者(市町村民税非課税者、指定難病の患者等)については、減額の対象です(則90条)
①における被扶養者の区分は後述します。
- 被扶養者の受ける療養が「評価療養、患者申出療養、選定療養」の場合は、これらの療養につき算定した費用の額に基づいて、①と同様に(食事療養又は生活療養の部分については②又は③により)算出し、あくまで「家族療養費」として支給されます(法110条3項)
- 療養費の規定は被扶養者の療養に準用するため、療養費の支給要件を満たす場合は、現金給付(償還払い)として「家族療養費」が支給されます。
- ②③は、被保険者についての入院時食事(生活)療養費に相当します。ただし、これらも「家族療養費」として支給されます。

家族療養費(食事・生活療養を除く)の支給割合は、被扶養者の区分に応じて、下表のとおり7割又は8割となります(法110条2項1号)
※「70歳に達する日の属する月以前にある」を「70歳未満」と表記しています。
※「70歳に達する日の属する月の翌月以後にある」を「70歳以上」と表記しています。
| 項目 | 被扶養者の区分 | 家族療養費の支給割合 |
| ① | 6歳に達する日以後の最初の3月31日以前 | 100分の80 |
| ② | 6歳に達する日以後の最初の3月31の翌日以後であって、70歳未満 | 100分の70 |
| ③ | 70歳以上(④以外) | 100分の80 |
| ④ | 次のいずれも満たす 被扶養者が70歳以上 被保険者も70歳以上であり、かつ、一部負担金の割合が3割 | 100分の70 |
④の趣旨は、70歳以上の被保険者が3割負担の場合には、70歳以上の被扶養者も3割負担(7割の保険給付)とするものです。
(被扶養者が70歳以上でも、被保険者が70歳未満の場合は、標準報酬月額に関係なく③の支給割合が適用されます)
前述のとおり、保険者は家族療養費としての支給額(100分の70又は80)を病院等に支払い、被保険者に家族療養費を支給したとみなすため、結果として、被扶養者の自己負担の割合は3割又は2割となります。
家族療養費の額の特例

被保険者について、一部負担金の額の特例(減額、免除、徴収猶予)が適用されている場合の取扱いです。
上記の場合、保険者は、「被扶養者」について、家族療養費(食事・生活療養を除く)の支給割合(直前の表を参照)を、それぞれの割合を超え100分の100以下の範囲内で定めることができます(法110条の2)
本来の支給割合を7割として、事例形式で解説します(同旨 平成18年9月14日保保発0914003号)
- 減額により支給割合を9割(100分の90)とする場合は、保険者は病院等へ9割支払い、被扶養者は病院等に1割支払います。
- 免除により支給割合を10割(100分の100)とする場合は、保険者は病院等へ10割支払います。
- 徴収猶予により支給割合を8割とする場合は、保険者は病院等へ8割支払い、被扶養者は病院等に2割支払います。保険者は、病院等に支払った8割のうち1割の部分を被保険者から徴収しますが、その徴収を猶予します(徴収猶予の期間は6か月以内です)
一部負担金の解説は、こちらをご参照ください。
家族療養費の解説は以上です。
以降は、家族訪問看護療養費、家族移送費、家族出産育児一時金、家族埋葬料を解説します。
家族訪問看護療養費

留意事項としては、「被扶養者」はいわゆる高齢者に限りません。
- 被扶養者が指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けたときは、被保険者に対し、その指定訪問看護に要した費用について、家族訪問看護療養費を支給する(法111条1項)
- 家族訪問看護療養費は、厚生労働省令で定めるところ(*3)により、保険者が必要と認める場合に限り、支給する(法111条2項により準用する法88条2項)
(*3)被扶養者は「疾病又は負傷により居宅において継続して療養を受ける状態にあり、訪問看護を要すると主治医が認めた者」に該当する必要があります。
家族訪問看護療養費の額は、指定訪問看護につき算定した費用の額に、家族療養費(食事・生活療養を除く)と同様の支給割合(直前の表を参照)を乗じて得た額となります(法111条2項)
特例(減額、免除、徴収猶予)の取扱いも、家族療養費と同じです(法111条2項)
家族訪問看護療養費も被保険者に支給されます。ただし、費用の7割(又は8割)の部分は被保険者に代わり指定訪問看護事業者に支払われるため、被扶養者は3割(又は2割)負担で指定訪問看護を受けられます。
家族移送費

- 被扶養者が家族療養費に係る療養を受けるため、病院等に移送されたときは、家族移送費として、被保険者に対し、厚生労働省令で定めるところにより算定した金額(*4)を支給する(法112条1項)
- 家族移送費は、厚生労働省令で定めるところ(*5)により、保険者が必要であると認める場合に限り、支給する(法112条2項により準用する法97条2項)
(*4)現に移送に要した費用の範囲内で、最も経済的な通常の経路及び方法により移送された場合の費用により算定します。
(*5)被扶養者は次の①~③のいずれにも該当する必要があります。
- 移送により健康保険法に基づく適切な療養を受けた
- 移送の原因である疾病又は負傷により移動をすることが著しく困難であった
- 緊急その他やむを得なかった
家族出産育児一時金
留意事項としては、被扶養者は配偶者に限りません。
- 被扶養者が出産したときは、家族出産育児一時金として、被保険者に対し、政令で定める金額を支給する(法114条)
- 政令で定める金額は、48万8千円とする。ただし、制度対象分娩であると保険者が認めるときは、3万円を超えない範囲内で保険者が定める金額(1万2千円)を加算する(令36条)
出産については、理由を問わず妊娠4か月以上(85日以後)の分娩が対象です(昭和27年6月16日保文発2427号)
(月を単位とする場合は28日を1か月として計算します。28 × 3 = 84 ですので、85日目から4か月目はスタートします)
制度対象分娩

制度対象分娩とは、産科医療補償制度に加入する医療機関等(病院等又は助産所)の医学的管理下における、在胎週数22週に達した日以後の出産(死産を含む)をいいます(令和6年5月30日保発0530第8号)
制度対象分娩については、保険契約に関して追加的に費用(掛金に相当する額)が発生するため、当該費用の額(1万2千円)を加算して、家族出産育児一時金として50万円が支給されます(前掲通達)
(このため、出産育児一時金と同様、制度対象分娩でなければ、1万2千円は加算されません)
なお、制度対象分娩における双子の場合は、50万円 × 2 = 100万円が保険給付として支給されます(二人目以降は48万8千円とする取扱いではなく、胎児数に応じて50万円が支給されます)
ちなみに、産科医療補償制度による補償の対象は、在胎週数が28週以上の出産です(1万2千円の加算ではなく、当該補償制度による補償金の対象となる出産の基準です)
条文は下のタブに格納しておきます。
出産育児一時金(法101条)についても同じです。
健康保険法
第百十四条(家族出産育児一時金)
被保険者の被扶養者が出産したときは、家族出産育児一時金として、被保険者に対し、第百一条の政令で定める金額を支給する。
健康保険法施行令
第三十六条(出産育児一時金の金額)
法第百一条の政令で定める金額は、四十八万八千円とする。ただし、病院、診療所、助産所その他の者であって、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当するものによる医学的管理の下における出産であると保険者が認めるときは、四十八万八千円に、第一号に規定する保険契約に関し被保険者が追加的に必要となる費用の額を基準として、三万円を超えない範囲内で保険者が定める金額を加算した金額とする。
一 当該病院、診療所、助産所その他の者による医学的管理の下における出産について、特定出産事故(出産(厚生労働省令で定める基準に該当する出産に限る。)に係る事故(厚生労働省令で定める事由により発生したものを除く。)のうち、出生した者が当該事故により脳性麻痺にかかり、厚生労働省令で定める程度の障害の状態となったものをいう。次号において同じ。)が発生した場合において、当該出生した者の養育に係る経済的負担の軽減を図るための補償金の支払に要する費用の支出に備えるための保険契約であって厚生労働省令で定める要件に該当するものが締結されていること。
二 出産に係る医療の安全を確保し、当該医療の質の向上を図るため、厚生労働省令で定めるところにより、特定出産事故に関する情報の収集、整理、分析及び提供の適正かつ確実な実施のための措置を講じていること。
健康保険法施行規則
第八十六条の二
令第三十六条第一号の厚生労働省令で定める基準は、出生した時点における在胎週数が二十八週以上であることとする。
第八十六条の三
令第三十六条第一号の厚生労働省令で定める事由は、次のとおりとする。
一 天災、事変その他の非常事態
二 出産した者の故意又は重大な過失
第八十六条の四
令第三十六条第一号の厚生労働省令で定める程度の障害の状態は、身体障害者福祉法施行規則(昭和二十五年厚生省令第十五号)別表第五号の一級又は二級に該当するものとする。
第八十六条の五
令第三十六条第一号の厚生労働省令で定める要件は、次の各号のいずれにも該当することとする。
一 病院、診療所、助産所その他の者(以下この条及び次条において「病院等」という。)が三千万円以上の補償金を出生した者又はその保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、出生した者を現に監護するものをいう。)(次条において「出生した者等」という。)に対して適切な期間にわたり支払うための保険金(特定出産事故(令第三十六条第一号に規定する特定出産事故をいう。次条において同じ。)が病院等の過失によって発生した場合であって、当該病院等が損害賠償の責任を負うときは、当該補償金の額から当該損害賠償の額を除いた額とする。次号において同じ。)が、当該病院等に対し支払われるものであること。
二 前号の補償金に係る制度の運営組織が、保険金の支払基準、保険会社から当該運営組織に保険料が返還された場合における当該保険料の取扱いその他の事項(いずれも当該制度の安定的な運営に重大な影響を及ぼすおそれがあるものに限る。)を設定し、変更し、又は廃止しようとするときは、あらかじめ厚生労働大臣に協議するものであること。
三 前号の保険料が、当該保険料の運用、病院等が保険契約に関して負担する費用の額の軽減又は厚生労働大臣が定める事業(厚生労働大臣が医療関係者、医療保険者その他の関係者の意見を聴いた上で、前号の制度の安定的な運営に必要であると認めたものに限る。)の実施のためにのみ用いられるものであること。
第八十六条の六
令第三十六条第二号の厚生労働省令で定めるところにより講ずる措置は、病院等と出生した者等との間における特定出産事故に関する紛争の防止又は解決を図るとともに、特定出産事故に関する情報の分析結果を体系的に編成し、その成果を広く社会に提供するため、特定出産事故に関する情報の収集、整理、分析及び提供について、これらを適正かつ確実に実施することができる適切な機関に委託することとする。
家族埋葬料
- 被扶養者が死亡したときは、家族埋葬料として、被保険者に対し、政令で定める金額を支給する(法113条)
- 政令で定める金額は、5万円とする(令35条)
家族埋葬料の支給は、被扶養者の死亡に限るため、死産児(*6)については支給されません(昭和23年12月2日保文発898号)
(*6)死産児は被扶養者になれません。死産の届出に関する規程(昭和21年9月30日厚生省令42号)によると、死産とは妊娠4か月以後における死児の出産をいい、死児とは出産後において心臓膊動、随意筋の運動、呼吸のいずれも認められないケースをいいます(参考まで)
なお、(家族)出産育児一時金については、妊娠4か月以上(85日以後)の分娩ならば、生産、死産、流産(人工流産を含む)又は早産を問わず支給されます(昭和27年6月16日保文発2427号)
(死産ではなく、生きて)生まれた子が出生日に亡くなった場合は、一般的(*7)には、出生日が「被扶養者になった日」、死亡日の翌日が「被扶養者でなくなった日」となるため、家族埋葬料の支給の可否と合わせて、各保険者の取扱いをご確認ください。
(*7)協会管掌の被扶養者の認定基準(被扶養者異動届)を参考にしています。
ちなみに、埋葬費に関する規定は、施行規則を含めて家族埋葬料に準用されていません。
(被保険者と被扶養者が同日に亡くなるケースも想定されますが、家族埋葬料の支給対象は「被保険者」です)
解説は以上です。
保険給付の内容は、傷病手当金、出産手当金、埋葬費を除き、基本的には被保険者と被扶養者とで同じです。
よく分からんかった…という方は、先ずは被保険者についての保険給付を復習してみてください。
(参考資料等)
厚生労働省|厚生労働省法令等データベースサービスより|https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/kensaku/index.html
- 健康保険法
- 昭和23年11月8日保険発569号(被扶養者の認定について)
- 令和元年6月21日事務連絡(平成30年7月豪雨による被災者に係る健康保険及び船員保険の一部負担金等の徴収の免除に係る取扱いについて)より、平成18年9月14日保保発第0914003号
- 昭和27年6月16日保文発2427号(人工流産に伴う分娩費並びに出産手当金支給に関する件)
- 令和6年5月30日保発0530第8号(出産育児一時金等の支給申請及び支払方法について」の一部改正について)
- 昭和21年厚生省令42号(死産の届出に関する規程)
- 昭和23年12月2日保文発898号(死産に伴う家族埋葬料支給解釈等疑義に関する件)


