この記事では、労働基準法の「労働契約」に関する次の事項を解説しています。
- 更新の基準
- 雇止めに関する基準
社会保険労務士試験の独学、労務管理担当者の勉強などに役立てれば嬉しいです。
なお、労働条件の明示(労基法15条)はこちらで解説しています。必要に応じてご参照ください。
当記事は、条文等の趣旨に反するような極端な意訳には注意しておりますが、厳密な表現と異なる部分もございます。
詳しくは免責事項をご確認ください。
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有期労働契約についての基準(概要)

(この記事では「期間の定めのある労働契約」を「有期労働契約」と表記しています)
- 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して一定の労働条件を明示する必要があります(労基法15条)
- 明示を必要とする事項の一つに、有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(更新の基準)があります(労基則5条1項1号の2)
「更新の基準」は、書面の交付等により明示が必要な労働条件です(労基則5条3項、4項)
厚生労働大臣は、有期労働契約についての「基準」を定めることができます。行政官庁は、当該基準に関して、使用者に対し助言および指導を行うことができます(労基法14条2項、3項)
有期労働契約の締結から満了までにおける、労使間のトラブルを防ぐため「基準」が定められています。
基準
現在では「更新の基準」と「雇止めに関する基準」が定められています。
それぞれの「基準」を簡単にいうと、労働条件の明示については「更新の基準」、雇止めの予告については「雇止めに関する基準」です。
両基準の変遷を下のタブに格納しておきます。
労基法14条2項の規定に基づいて、厚生労働大臣により、次の基準が定められました(平成15年10月22日厚生労働省告示357号)
「有期労働契約の締結、更新、雇止めに関する基準」
略称が「雇止めに関する基準」です(平成15年10月22日基発1022001号)

契約の締結、更新、雇止めについての基準が定められました。
労働政策審議会「有期労働契約の在り方について」(平成23年12月26日)において、「(略)契約更新の判断基準は、労働基準法第15条第1項後段の規定による明示をすること とすることが適当である」とされました。
それをうけ、労働条件の明示事項(労基法15条)に「有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項」が追加されました。
その略称が「更新の基準」です(平成24年10月26日基発1026第2号)

「更新の基準」の具体的な取扱いは、「雇止めに関する基準」の一部と同様です。
「更新の基準」は、いわゆる労基法15条に基づく「労働条件の明示」事項です。
「雇止めに関する基準」は、雇止めの予告等について、厚生労働大臣が定めた基準です。
令和6年4月1日からは、次の取扱いが追加されました。
- 「更新の基準」に、更新回数の上限を明示すること等を追加
- 「雇止めに関する基準」に、更新上限を定める場合の理由の説明等を追加
- 「労働条件の明示事項」に、無期転換申込みに関する事項および無期転換後の労働条件の明示を追加
以降は、「更新の基準」、「雇止めに関する基準」の内容を解説します。
更新の基準
「更新の基準」は、労基則5条関係の基準です。
基準の構成は下記になります。
- 更新の有無(通達)
- 契約更新の判断基準(通達)
- 労働条件を変更する場合の取扱い(通達)
- 更新上限の明示(労基則5条1項1号の2)
- 無期転換申込機会の明示、無期転換後の労働条件の明示(労基則5条5項)
有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(①~④)は、労基則5条1項1号の2により、労働条件の明示が必要です。
ただし、①~③は「有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項」の例として、通達で示されたものです。
省令と通達では根拠が異なるため、①~③は「更新の基準(通達)」と表記して解説します。
⑤については、厳密には「更新の基準(労基則5条1項1号の2)」ではなく、労基則5条5項による労働条件の明示事項です。ただし、区別すると複雑になる(実質的には区別するメリットが少ない)ため、いずれも「更新の基準」として解説します。
なお、⑤についても、口頭ではなく、書面の交付等により明示する必要があります(労基則5条6項)
参考|契約の締結時と更新時の明示(例)
結論として、厚生労働省で提供している「モデル労働条件通知書」を掲載しておきます。

ちなみに、労働条件を明示するための書式は任意です(平成11年1月29日基発45号)
参考|厚生労働省(外部サイトへのリンク)|様式等|モデル労働条件通知書

通達によると、「更新の基準」のうち直前①②③については、次のように例示されています(平成24年10月26日基発1026第2号)
①「更新の有無」の明示(例)
- 自動的に更新する
- 更新する場合があり得る
- 契約の更新はしない
②「契約更新の判断基準」の明示(例)
- 契約期間満了時の業務量により判断する
- 労働者の勤務成績、態度により判断する
- 労働者の能力により判断する
- 会社の経営状況により判断する
- 従事している業務の進捗状況により判断する
③ 労働条件を変更する場合の取扱い
「更新の基準」についても、他の労働条件と同様、労働契約の内容となっている労働条件を使用者が変更する場合には、労働者との合意その他の方法により、適法に変更される必要があります。

有期労働契約であって契約期間の満了後に当該契約を更新する予定があるものを締結する場合は、使用者は、労働者に対して次の事項を明示する必要があります(労基則5条1項ただし書)
有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間(労働契約法第十八条第一項に規定する通算契約期間をいう。)又は有期労働契約の更新回数に上限の定めがある場合には当該上限を含む。)
令和6年4月1日から、かっこ書が追加されました。
「通算契約期間」とは、同一の使用者との間で締結された二つ以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く)の契約期間を通算した期間をいいます(労契法18条1項)
「通算契約期間」または「契約の更新回数」に上限を定める場合には、労働条件の明示が必要となります。
「期間」または「回数」に上限を定める
「通算契約期間」または「契約の更新回数」に上限を定めるとは、例えば、次のような取扱いをいいます。
- 有期労働契約に契約期間の上限を定めて、「更新しても最大で4年」とする
- 有期労働契約に更新回数の上限を定めて、「更新は最大で3回」とする
なお、「更新の基準」は労働条件の絶対的明示事項(必ず明示が必要な事項)です(労基則5条1項、5項)
つまり、有期労働契約をはじめて締結する時のみならず、更新する際にも明示が必要です。

無期転換申込みに関する事項(無期転換申込機会の明示)および無期転換後の労働条件の明示は、更新後の契約期間中に「無期転換の申込」が可能となる労働者が対象です。
条文はタブを切り替えると確認できます。
明示事項
(更新後の)契約期間中に「無期転換申込み」が可能となる有期労働契約を締結する場合は、労働条件の明示事項に下記の項目が追加されます(労基則5条5項)
- 無期転換申込みに関する事項(無期転換申込機会の明示)
- 無期転換後の労働条件
「無期転換後の労働条件」のうち明示が必要なものは、いわゆる絶対的明示事項および相対的明示事項(*1)です。
(*1)相対的明示事項については、定めをしない場合は明示は不要です。
書面の交付による明示
①無期転換申込みに関する事項、②無期転換後の労働条件のうち絶対的明示事項(更新の基準、昇給に関する事項を除く)についても、書面の交付(*2)による明示が必要です(労基則5条6項)
(*2)労働者が希望した場合は、出力して書面を作成できることを要件として、電子メール、SNSなどでの明示も可能となります。
労働基準法施行規則
⑤ その契約期間内に労働者が労働契約法第十八条第一項の適用を受ける期間の定めのない労働契約の締結の申込み(以下「労働契約法第十八条第一項の無期転換申込み」という。)をすることができることとなる有期労働契約の締結の場合においては、使用者が法第十五条第一項前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働条件は、第一項に規定するもののほか、労働契約法第十八条第一項の無期転換申込みに関する事項並びに当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件のうち第一項第一号及び第一号の三から第十一号までに掲げる事項とする。ただし、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件のうち同項第四号の二から第十一号までに掲げる事項については、使用者がこれらに関する定めをしない場合においては、この限りでない。
⑥ その契約期間内に労働者が労働契約法第十八条第一項の無期転換申込みをすることができることとなる有期労働契約の締結の場合においては、法第十五条第一項後段の厚生労働省令で定める事項は、第三項に規定するもののほか、労働契約法第十八条第一項の無期転換申込みに関する事項並びに当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件のうち第一項第一号及び第一号の三から第四号までに掲げる事項(昇給に関する事項を除く。)とする。
労働契約法
第十八条(有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換)
1 同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の契約期間を通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。この場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の定めがある部分を除く。)とする。
2 当該使用者との間で締結された一の有期労働契約の契約期間が満了した日と当該使用者との間で締結されたその次の有期労働契約の契約期間の初日との間にこれらの契約期間のいずれにも含まれない期間(これらの契約期間が連続すると認められるものとして厚生労働省令で定める基準に該当する場合の当該いずれにも含まれない期間を除く。以下この項において「空白期間」という。)があり、当該空白期間が六月(当該空白期間の直前に満了した一の有期労働契約の契約期間(当該一の有期労働契約を含む二以上の有期労働契約の契約期間の間に空白期間がないときは、当該二以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間。以下この項において同じ。)が一年に満たない場合にあっては、当該一の有期労働契約の契約期間に二分の一を乗じて得た期間を基礎として厚生労働省令で定める期間)以上であるときは、当該空白期間前に満了した有期労働契約の契約期間は、通算契約期間に算入しない。
これから更新する有期労働契約の労働条件に併せて、無期転換が可能な旨を明示するとともに、無期転換後の労働条件についても明示が必要になります。
「無期転換申込みに関する事項」とは、労契法18条1項に規定する無期転換ルールに基づき、当該有期労働契約の契約期間の初日から満了する日までの間に、労働者が有期労働契約から無期労働契約への転換を申し込むことができる権利(無期転換申込権)を有することを意味します(令和5年10月12日基発1012第2号)
「労契法18条1項に規定する無期転換ルール」とは、同一の使用者との間で、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申込みにより「期間の定めのない労働契約」に転換する仕組みをいいます(労契法18条1項、令和5年10月12日基発1012第2号)
社労士試験では、労務管理その他の労働に関する一般常識に労働契約法が含まれます。
未学習の方は、有期労働契約は「5年を超えて反復更新すると無期転換申込権が発生する」は、この機会に覚えてください。
ちなみに、厚生労働省の資料(パンフレット)では、無期転換を申し込むことができる旨を「無期転換申込機会」と表示しています。
「無期転換申込みに関する事項の明示」よりも、「無期転換申込機会の明示」のほうが伝わりやすいですかね……
参考|厚生労働省(外部サイトへのリンク)|パンフレット
無期転換申込権を有する旨の明示(無期転換申込機会の明示)は、無期転換申込権が発生した時(契約更新後)ではありません。
「更新後の契約期間中」に無期転換申込権が発生するならば、更新する時(契約更新の手続きの際)に必要です。
(その契約期間内に労働者が「無期転換申込み」をすることができることとなる有期労働契約の締結の場合において、明示が必要です)
明示の時期|ケース1

1年契約を反復更新し通算契約期間が5年となり、次回の契約期間中に「無期転換申込権」が発生するケースです。
上記の例では「6年目」に入る更新手続の時に、「無期転換申込権権の発生」と「無期転換後の労働条件」の明示が必要です。
労働者が「無期転換申込権」を行使せず「6年目」を終了し、さらに契約を更新する場合にも「無期転換申込権権の発生」と「無期転換後の労働条件」の明示も必要です。
明示の時期|ケース2

有期労働契約の契約期間は、原則として、上限期間は3年となります(労基法14条)。この3年ごとに契約を更新するケースです。
更新後の契約期間の始期が到来すると、更新後の契約期間そのもの(上記の例では更新後の3年)が通算契約期間に算入されます(労契法18条1項)
上記の例では「4年目」に入る更新手続の時に、「無期転換申込権の発生」と「無期転換後の労働条件」の明示も必要です。
4年目に入る契約の更新時は、いわゆる雇入れ時の労働条件を明示し、その後、5年を経過した時点で「無期転換申込権の発生」を明示するわけではありません。
労働者が「無期転換申込権」を行使せず6年目を終了し、さらに契約を更新する場合にも「無期転換申込権権の発生」と「無期転換後の労働条件」の明示が必要です。
無期転換後の労働条件の明示

無期転換申込権の行使によって成立する無期労働契約についての労働条件の明示(無期転換後の労働条件の明示)は、次の①②いずれも行う必要があります(令和5年10月12日基発1012第2号)
- 無期転換申込権が生じる有期労働契約の更新時
- 労働者による無期転換申込権の行使によって無期労働契約が成立した時
ちなみに、①の場面で明示した労働条件と、②の場面で明示すべき労働条件が全て同じ場合は、②無期労働契約の成立時にその旨を(書面等で)明示する方法でも差し支えないとされています(前掲通達)
「更新の基準」の解説は以上です。
雇止めに関する基準

ここからは、有期労働契約の締結、更新、雇止めに関する基準(雇止めに関する基準)を解説します。
基準の構成は下記になります。
- 更新上限を定める場合等の理由の説明
- 雇止めの予告
- 雇止めの理由の明示
- 契約期間についての配慮
- 無期転換後の労働条件に関する説明
留意事項としては、「雇止めに関する基準」は、雇止めの法的効力に影響を及ぼすものではありません(平成15年10月22日基発1022001号)
ただし、労基法14条3項に基づく行政官庁による助言および指導の対象にはなり得ます。
令和6年4月1日から追加された基準です(令和5年3月30日厚生労働省告示114号)
使用者は、有期労働契約の締結後、当該有期労働契約の変更または更新に際して、通算契約期間または有期労働契約の更新回数について、上限を定め、またはこれを引き下げようとするときは、あらかじめ、その理由を労働者に説明しなければならない。
例えば、雇入時や更新時に「通算契約期間の上限なし」という趣旨で労働条件を締結した後に、「通算契約期間を5年」に変更する場合は、あらかじめ「理由」を説明する必要があります。
具体的には次のように解されています(令和5年10月12日基発1012第2号)
「理由」として、次の例が示されています。
- 「プロジェクトが終了することになったため」
- 「事業を縮小することになったため」
「説明」とは、労働者が内容を理解することができるよう、文書を交付し、個々の有期契約労働者ごとに面談等により説明を行うことを基本とします。
ただし、説明の方法は、特定の方法に限られるものではなく、次のような方法でも差し支えないとしています。
- 資料を交付して行う方法
- 説明会等により、複数の有期契約労働者に同時に行う方法
資料には、説明すべき事項を全て記載し、労働者が容易に理解できる内容が求められます。
使用者は、有期労働契約(当該契約を3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く)を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約の期間の満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない。
「雇止め」とは、使用者が「契約の更新をしない」と判断し、契約期間の満了により有期労働契約が終了することをいいます(平成24年8月10日基発0810第2号)
次の①または②に該当する労働者については、「雇止めの予告」が必要です。
- 有期労働契約を3回以上更新している
- 雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している
あらかじめ「契約の更新をしない」という趣旨の明示がされている有期労働契約については、「雇止めの予告」は必要ありません(このケースは、使用者の判断により有期労働契約が終了するものではありません)
一方で、「契約の更新があり得る」という趣旨の明示をしたものの、その後「契約を更新しないことにする」と判断した場合は「雇止めの予告」が必要です。
①の例(有期労働契約を3回以上更新している)

「更新を3回」しているため、「4回目の契約更新をしない」と判断した場合には、雇止めの予告が必要です。
②の例(雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している)

更新回数は2回ですが、現在の契約期間中に「雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務」の条件を満たします。
そのため、「3回目の契約更新をしない」と判断した場合には、雇止めの予告が必要です。
使用者は、雇止めの予告後に、労働者が「更新しないこととする理由」について証明書を請求したときは、遅滞なくこれを交付しなければならない。
有期労働契約が更新されなかった場合において、使用者は、労働者が「更新しなかった理由」について証明書を請求したときは、遅滞なくこれを交付しなければならない。
前段は、「雇止めの予告〜雇止め」の期間に「雇止めの理由」についての証明書を請求した場合です。
後段は、「雇止め後」に「雇止めの理由」についての証明書を請求した場合です。
使用者は、有期労働契約(当該契約を1回以上更新し、かつ、雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限る)を更新しようとする場合においては、当該契約の実態及び当該労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう努めなければならない。
次の①および②に該当する労働者については、「契約期間についての配慮」の対象です。
- 有期労働契約を1回以上更新している
- 雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している
「雇止めの予告」と異なり、1回以上更新、かつ、1年を超えて継続勤務です。
令和6年4月1日から追加された基準です(令和5年3月30日厚生労働省告示114号)
使用者は、労基法15条1項の規定により、労働者に対して「無期転換後の労働条件」を明示する場合においては、当該労働条件に関する定めをするに当たって労契法3条2項の規定の趣旨を踏まえて就業の実態に応じて均衡を考慮した事項について、当該労働者に説明するよう努めなければならない。
具体的には次のように解されています(令和5年10月12日基発1012第2号)
「説明」とは、労働者が内容を理解することができるよう、文書を交付し、個々の有期契約労働者ごとに面談等により説明を行うことを基本とします(雇止めに関する基準の1条と同様です)
ただし、説明の方法は、特定の方法に限られるものではなく、次のような方法でも差し支えないとしています。
- 資料を交付して行う方法
- 説明会等により、複数の有期契約労働者に同時に行う方法
資料には、説明すべき事項を全て記載し、労働者が容易に理解できる内容が求められます。
「就業の実態に応じて均衡を考慮した事項」として、次の例が示されています。
- 業務の内容
- 責任の程度
- 異動の有無
- 異動の範囲
ここまで労働基準法の「労働契約」に関する次の事項を解説しました。
- 更新の基準
- 雇止めに関する基準
有期労働契約については、労基則や労契法の知識も必要です。
また、具体的な取扱いについては、当記事で解説した、「更新の基準」と「雇止めに関する基準」の理解も必要です。
一度で覚えるには情報量が多いため、労基法15条(労働条件の明示)と労契法を一通り学習した後に復習してみてください。
最後に、この記事を簡単にまとめて終わりにします。
「有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項」
労働条件の明示事項(労基則5条に定める基準)
- 更新の有無の明示
- 契約更新の判断基準の明示
- 労働条件を変更する場合の明示
- 更新上限の明示
- 無期転換申込みに関する事項および無期転換後の労働条件の明示
⑤については、厳密には「更新の基準(労基則5条1項1号の2)」ではなく、労基則5条5項による労働条件の明示事項です。
「有期労働契約の締結、更新、雇止めに関する基準」
労基法14条2項に基づいて厚生労働大臣が定めた基準(告示)
- 更新上限を定める場合等の理由の説明
- 雇止めの予告
- 雇止めの理由の明示
- 契約期間についての配慮
- 無期転換後の労働条件に関する説明
(参考資料等)
厚生労働省|厚生労働省法令等データベースサービスより|https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/kensaku/index.html
- 労働基準法14条2項、3項
- 労働基準法施行規則5条
- 労働契約法18条
- 有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準(平成15年10月22日厚生労働省告示第357号)
- 労働基準法の一部を改正する法律の施行について(平成15年10月22日基発第1022001号)
- 労働基準法の一部を改正する法律の施行について(平成24年10月26日基発1026第2号)
厚生労働省|令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されますより|https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32105.html
- 省令(令和5年3月30日厚生労働省令第39号)
- 告示(令和5年3月30日厚生労働省告示第114号)
- 通達(令和5年10月12日基発1012第2号)
- モデル労働条件通知書
- 改正の内容についてパンフレット


