この記事では、令和6年労働争議統計調査(調査の時期は令和6年1月~12月)を社労士試験の勉強用に整理しています。
(令和7年8月20日公表ですので、令和8年の社労士試験に対応する調査結果です)
試験勉強の息抜きとして読んでみてください。
当記事は条文等の趣旨に反するような極端な意訳には注意しております。ただし、厳密な表現と異なる部分もございます。詳しくは免責事項をご確認ください。
調査の概要
労働争議統計調査は、日本における労働争議の状況を調査し、その実態を明らかにして、労働行政推進上の基礎資料とすることを目的とする、一般統計調査です。
調査の対象は次のとおりです。
- 地域は全国
- 産業は全産業
- 対象となる労働争議は、労働組合又は労働者の団体とその相手方との間で生じた紛争のうち、争議行為が現実に発生したもの又はその解決のために第三者が関与したもの
また、本調査における総争議(調査対象となるすべての労働争議)は、争議行為を伴う争議(ストライキなどを行うもの)と争議行為を伴わない争議(争議行為を伴わないものの、労働委員会等の第三者が解決に関与したもの)とに大別されています。
調査結果の概要
以降、令和6年労働争議統計調査における結果の概要より一部を抜粋しています。
- 「総争議」の件数は 278件(総参加人員は 95,325人)
- 「総争議」の件数は長期的には減少傾向で推移してきたが、令和元年以降は横這い圏内で推移している。
- 「争議行為を伴う争議」の件数は 76件(行為参加人員は 8,982人)
争議行為を伴う争議についての産業別の状況です。
- 件数は「医療,福祉」35件が最も多く、次いで「製造業」12件、「運輸業,郵便業」11件
- 行為参加人員は「医療,福祉」6,459人が最も多く、次いで「製造業」1,223人、「情報通信業」726人
- 労働損失日数は「運輸業,郵便業」1,277日が最も多く、次いで「製造業」558日、「医療,福祉」411日
「労働喪失日数」とは、半日以上の同盟罷業又は作業所閉鎖が行われた期間に、労働者が実際に半日以上の同盟罷業に参加した又は作業所閉鎖の対象となったことによって労働に従事しなかった延べ日数をいいます。
「総争議」の件数を要求事項別(主要要求事項二つまでの複数回答)にみると、「賃金」に関する事項が 154件と最も多く、次いで「組合保障及び労働協約」に関する事項 94件、「経営・雇用・人事」に関する事項 90件となっています。
- 「総争議」278件のうち、令和6年中に「解決又は解決扱い」になった件数は218件、「翌年への繰越」は60件
- 解決方法をみると、「労使直接交渉による解決」は55件、「第三者関与による解決」は54件、「その他(解決扱い)」は109件
- 第三者関与による解決(労働委員会関与は53件)のうち、労働委員会関与の「あっせん」は50件、「調停」は3件
- 労働争議の解決状況を労働争議継続期間(争議発生から解決に至るまでの日数)別にみると、「91日以上」が79件と最も多く、次いで「30日以内」50件、「61日~90日」46件、「31日~60日」43件
ちなみに、不当労働行為事件として労働委員会に救済申立てがされた労働争議については、本調査では「第三者関与による解決」に含まれず、「その他(解決扱い)」に含まれています。
調査結果の概要は以上です。
労働委員会や不当労働行為については、こちらの記事で解説しています。
余裕があれば、合わせて学習してみてください。
(参考資料等)
厚生労働省ホームページ|令和6年労働争議統計調査の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/14-r06.html