一時帰休に伴う休業手当等についての事例表

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まえがき

平成25年5月31日事務連絡より、一時帰休に伴う休業手当等が支払われた場合の標準報酬月額についての「事例表」を解説しています。

一時帰休に伴う定時決定、随時改定の取扱いそのものの解説は、次の記事をご参照ください。

当記事は条文等の趣旨に反するような極端な意訳には注意しております。ただし、厳密な表現と異なる部分もございます。詳しくは免責事項をご確認ください。

一時帰休の解消について

次の取扱いを基準に解説します。

定時決定の取扱い

「一時帰休が解消している状態」とは、7月1日の時点で、現に低額な休業手当等の支払いが行われておらず、その後も低額な休業手当等が支払われる見込みがない場合をいう(令和5年6月27日事務連絡 問4)

随時改定の取扱い

「一時帰休の状況が解消したとき」とは、固定的賃金が減額されず、その後も低額な休業手当等が支払われる見込みがない状態をいう(前掲事務連絡 問5)

「一時帰休の状況が解消したものとして随時改定の対象となるとき」とは、低額な休業手当等が支払われないことが明確でなくても、現実に固定的賃金が減額されない状況が継続して3か月を超え、2等級以上の差を生じた場合をいう(前掲事務連絡 問5)

一時帰休の解消を契機とする随時改定

休業手当をもって標準報酬月額の決定又は改定を行った後に一時帰休の状況が解消したときも、随時改定の対象とすること(昭和50年3月29日保険発25号)


項番1~12

「低額な休業手当等」は単に休業手当で表記しています。

また、表中の「報酬」は何月分の報酬かに関係なく、表中の「月」に支払われた報酬を意味します。

項番1

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、☆7月1日時点の状態(一時帰休解消)

4月に休業手当を受け始め、5月に解消し、7/1時点でも一時帰休が解消しているケース

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消している ⇒ 4月(休業手当ありの月)含めず、5、6月の報酬の平均で定時決定する。

随時改定

休業手当の支給が4月のみのため、「継続して3か月超」の要件を満たさない ⇒ 随時改定に該当しない。

結論

  • 通常の報酬のみで定時決定
  • ①は休業手当をもって決定していないため、5月解消を起算とする随時改定(8月月変)に該当しない

項番2

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、☆7月1日時点の状態(一時帰休解消)

4月に休業手当を受け始め、7/1時点で一時帰休が解消しているケース

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消している ⇒ 4、5、6月(休業手当ありの月)を含めず、従前の標準報酬月額で定時決定する。

随時改定

休業手当の支給が4、5、6月の3か月あるが、7/1時点で一時帰休が解消している(*)ため、「継続して3か月超」の要件を満たさない ⇒ 随時改定に該当しない。

(*)定時決定の取扱いに合わせるため、月を単位とした4か月目に休業手当を受けていない場合をこのように表記している。また、4か月目に休業手当を受けた場合は、〇/1時点で一時帰休が解消していないと表記している。以降の解説において同じ。

結論

  • 従前の標準報酬月額で定時決定
  • ①は休業手当をもって決定していないため、7月解消を起算とする随時改定(10月月変)に該当しない

項番3

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、★7月1日時点の状態(一時帰休未解消)

4月に休業手当を受け始め、7/1時点で一時帰休が解消していない、その後8月に解消のケース

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消していない ⇒ 4、5、6月の休業手当を含めた報酬の平均で定時決定する。

随時改定

休業手当の支給が4、5、6月の3か月あり、7/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(7月月変)に該当する。

結論

  • 7月改定が定時決定に優先するため、随時改定(7月月変)
  • ①は休業手当をもって改定したため、8月解消を起算とする随時改定(11月月変)も対象となる

項番4

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、★7月1日時点の状態(一時帰休未解消)

5月に休業手当を受け始め、7/1時点で一時帰休が解消していない、その後8月に解消のケース

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消していない ⇒ 4月の通常の報酬、5、6月の休業手当を含めた報酬の3か月平均で定時決定する。

随時改定

休業手当の支給が5、6、7月の3か月あるが、8/1時点で一時帰休が解消しているため、「継続して3か月超」の要件を満たさない ⇒ 随時改定(8月月変)に該当しない。

結論

  • 休業手当を含めて定時決定
  • ①は休業手当をもって決定したため、8月解消を起算とする随時改定(11月月変)も対象となる

ポイント

7月に休業手当をもって定時決定を行った後(標準報酬月額は9月から適用)、8月に一時帰休が解消するため、11月改定を判断する。

(通常の固定的賃金の変動を契機とする随時改定は、項番17を参照)


項番5

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、★7月1日時点の状態(一時帰休未解消)

5月に休業手当を受け始め、7/1時点で一時帰休が解消していない、その後9月に解消のケース

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消していない ⇒ 4月の通常の報酬、5、6月の休業手当を含めた報酬の3か月平均で定時決定する。

随時改定

休業手当の支給が5、6、7月の3か月あり、8/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(8月月変)に該当する。

結論

  • 8月改定が定時決定に優先するため、随時改定(8月月変)
  • ①は休業手当をもって改定したため、9月解消を起算とする随時改定(12月月変)も対象となる

項番6

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、★7月1日時点の状態(一時帰休未解消)

6月に休業手当を受け始め、7/1時点で一時帰休が解消していない、その後9月に解消のケース

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消していない ⇒ 4、5月の通常の報酬、6月の休業手当を含めた報酬の3か月平均で定時決定する。

随時改定

休業手当の支給が6、7、8月の3か月あるが、9/1時点で一時帰休が解消しているため、「継続して3か月超」の要件を満たさない ⇒ 随時改定(9月月変)に該当しない。

結論

  • 休業手当を含めて定時決定
  • ①は休業手当をもって決定したため、9月解消を起算とする随時改定(12月月変)も対象となる

項番7

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、★7月1日時点の状態(一時帰休未解消)

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消していない ⇒ 4、5月の通常の報酬、6月の休業手当を含めた報酬の3か月平均で定時決定する。

随時改定

休業手当の支給が6、7、8月の3か月あり、9/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(9月月変)に該当する。

結論

  • 9月改定が定時決定に優先するため、随時改定(9月月変)
  • ①は休業手当をもって改定しているが、翌年の1月解消の状況が3か月を超えるかは不明なため、翌年の1月解消を契機とする随時改定の判断は保留となる

ポイント

「一時帰休の解消」に該当するかの判断と、「一時帰休の解消を契機とする随時改定」に該当するかの判断は、別に行う必要がある。


項番8

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、★7月1日時点の状態(一時帰休未解消)

4、5、6月は一時帰休の状態になく、7月から休業手当を受け始め、その後翌年の1月に解消のケース

定時決定

4、5、6月は一時帰休と関係ない ⇒4、5、6月の通常の報酬の3か月平均で定時決定する

随時改定

休業手当の支給が7、8、9月の3か月あり、10/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(10月月変)に該当する。

結論

  • 通常の報酬のみで定時決定
  • 7月開始を起算とする随時改定(10月月変)も対象となる
  • ②は休業手当をもって改定しているが、翌年の1月解消の状況が3か月を超えるかは不明なため、翌年の1月解消を契機とする随時改定の判断は保留となる

項番9

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、★7月1日時点の状態(一時帰休未解消)

4、5、6月は一時帰休の状態になく、7月から休業手当を受け始め、その後9月に解消のケース

定時決定

4、5、6月は一時帰休と関係ない ⇒4、5、6月の通常の報酬の3か月平均で定時決定する

随時改定

休業手当の支給が7、8月の2か月しかないため、「継続して3か月超」の要件を満たさない ⇒ 随時改定に該当しない

結論

  • 通常の報酬のみで定時決定
  • ①は休業手当をもって決定していないため、9月解消を起算とする随時改定(12月月変)に該当しない

項番10

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、★7月1日時点の状態(一時帰休未解消)

4月に休業手当を受け始め、5月に解消、6月に再開し、7/1時点で一時帰休が解消していない、その後9月に解消のケース

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消していない ⇒ 5月の通常の報酬、4、6月の休業手当を含めた報酬の3か月平均で定時決定する。

随時改定

4月の支給開始を契機とする休業手当は「継続して3か月超」の要件を満たさない ⇒ 随時改定に該当しない。

6月の支給再開を契機とする休業手当は6、7、8月の3か月あるが、9/1時点で一時帰休が解消しているため、「継続して3か月超」の要件を満たさない ⇒ 随時改定(9月月変)にも該当しない。

結論

  • 休業手当を含めて定時決定
  • 支給開始・再開を契機とする随時改定には該当しないが、①により休業手当をもって決定したため、9月解消を起算とする随時改定(12月月変)は対象となる

項番11

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、★7月1日時点の状態(一時帰休未解消)

4月に休業手当を受け始め、5月に解消、6月に再開し、7/1時点で一時帰休が解消していない、その後も解消していないケース

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消していない ⇒ 5月の通常の報酬、4、6月の休業手当を含めた報酬の3か月平均で定時決定する。

随時改定

4月の支給開始を契機とする休業手当は「継続して3か月超」の要件を満たさない ⇒ 随時改定に該当しない。

6月の支給再開を契機とする休業手当は6、7、8月の3か月あり、9/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(9月月変)には該当する。

結論

  • 9月改定が定時決定に優先するため、随時改定(9月月変)
  • 以降は解消の状況による

項番12

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、★7月1日時点の状態(一時帰休未解消)

5月に休業手当を受け始め、6月に解消、7月に再開し、7/1時点で一時帰休が解消していない、その後10月に解消のケース

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消していない ⇒ 4、6月の通常の報酬、5月の休業手当を含めた報酬の3か月平均で定時決定する。

随時改定

5月の支給開始を契機とする休業手当は「継続して3か月超」の要件を満たさない ⇒ 随時改定に該当しない。

7月の支給再開を契機とする休業手当は7、8、9月の3か月あるが、10/1時点で一時帰休が解消しているため、「継続して3か月超」の要件を満たさない ⇒ 随時改定(10月月変)にも該当しない。

結論

  • 休業手当を含めて定時決定
  • 支給開始・再開を契機とする随時改定には該当しないが、①により休業手当をもって決定したため、10月解消を起算とする随時改定(1月月変)は対象となる

項番13~20

以降の「固定的賃金の変動」は、休業手当の支給・終了とは異なる事由を契機とする変動(通常の給与に係る固定的賃金の変動)を意味します。

一時帰休中の固定的賃金の変動

一時帰休に伴う休業手当が支払われた月に固定的賃金が変動した場合、その固定的賃金の変動が正確に報酬月額に反映されないため、一時帰休に伴う休業手当が支払われなくなった月から起算して3か月の報酬を平均することによって、随時改定を行う(令和5年6月27日事務連絡 問6)

固定的賃金の変動後の一時帰休

随時改定は、固定的賃金の変動が報酬に反映された月を起算として、それ以後継続した3か月間に受けた報酬を計算の基礎とすることから、随時改定の算定対象月内に休業手当を受けることとなった場合であっても、随時改定の対象とする(前掲事務連絡 問7)

(実際問題としては、算定対象月の初月(起算月)に休業手当を受ける場合は、一時帰休中の固定的賃金の変動に該当します)


項番13

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、▲固定的賃金の変動(一時帰休中)、★7月1日時点の状態(一時帰休未解消)

2月に休業手当を受け始め、3月に固定的賃金の変動(一時帰休中の変動)が生じ、7/1時点で一時帰休が解消していない、その後10月に解消のケース

随時改定(開始)

2月の支給開始を契機とする休業手当は2、3、4月の3か月あり、5/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(5月月変)に該当する。

固定的賃金の変動

3月の固定的賃金の変動は、一時帰休に伴う休業手当が支払われた月に生じたため、10月の解消が起算月となる(翌1月月変)

(10、11、12月の通常の報酬の3か月平均で随時改定の要件を判断する)

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消していない ⇒ 4、5、6月の休業手当を含めた報酬の3か月平均で定時決定する。

結論

  • 休業手当の支給開始を契機とする随時改定(5月月変)
  • 休業手当を含めて定時決定
  • 3月の固定的賃金の変動(10月の解消が起算月)を契機とする随時改定(翌1月月変)

補足

③は、随時改定の契機を「一時帰休の解消」としても同様の随時改定が行われる。

この記事では、以降においても「一時帰休の解消」と「それに伴う固定的賃金の変動」とが同時に随時改定の契機となる場合は、「固定的賃金の変動」を優先して随時改定の契機としている。


項番14

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、▲固定的賃金の変動(一時帰休中)、★7月1日時点の状態(一時帰休未解消)

1月に休業手当を受け始め、3月に固定的賃金の変動(一時帰休中の変動)が生じ、7/1時点で一時帰休が解消していない、その後8月に解消のケース

随時改定(開始)

1月の支給開始を契機とする休業手当は1、2、3月の3か月あり、4/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(4月月変)に該当する。

固定的賃金の変動

3月の固定的賃金の変動は、一時帰休に伴う休業手当が支払われた月に生じたため、8月の解消が起算月となる(11月月変)

(8、9、10月の通常の報酬の3か月平均で随時改定の要件を判断する)

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消していない ⇒ 4、5、6月の休業手当を含めた報酬の3か月平均で定時決定する。

結論

  • 休業手当の支給開始を契機とする随時改定(4月月変)
  • 休業手当を含めて定時決定
  • 3月の固定的賃金の変動(8月の解消が起算月)を契機とする随時改定(11月月変)

項番15

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報酬
●休業手当あり、☆7月1日時点の状態(一時帰休解消)

1月に休業手当を受け始め、7/1時点で一時帰休が解消している、その後8月に再開のケース

随時改定(開始)

1月の支給開始を契機とする休業手当は1、2、3月の3か月あり、4/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(4月月変)に該当する。

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消している ⇒ 4、5、6月(休業手当ありの月)を含めず、休業手当を含まずに決定又は改定された直近(以下、改定前の従前)の標準報酬月額で定時決定する。

随時改定(再開)

8月の支給再開を契機とする休業手当は8、9、10月の3か月あり、11/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(11月月変)に該当する。

結論

  • 休業手当の支給開始を契機とする随時改定(4月月変)
  • ①の改定前の「従前の標準報酬月額」で定時決定(9月から適用)
  • 休業手当の8月再開を契機とする随時改定(11月月変)
  • 以降は解消の状況による

ポイント

7月に固定的賃金が減額されず、その後(8月以降)も低額な休業手当等が「支払われる見込みがない状態」であれば、結果的に8月に一時帰休を開始(再開)した場合でも、7月は「一時帰休の解消」に該当する。

ただし、7月の「一時帰休の解消」が「一時帰休の解消を契機とする随時改定」に該当するかの判断(現実に固定的賃金が減額されない状況が継続して3か月を超えるか否かの判断)は、別に行う必要がある。


項番16

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、▲固定的賃金の変動(一時帰休中)、☆7月1日時点の状態(一時帰休解消)

2月に休業手当を受け始め、2月に固定的賃金の変動(一時帰休中の変動)が生じ、3月に解消、4月に再開、5月に解消し、7/1時点でも一時帰休が解消しているケース

随時改定(開始)

2月の支給開始を契機とする休業手当は「継続して3か月超」の要件を満たさない ⇒ 随時改定に該当しない。

固定的賃金の変動

2月の固定的賃金の変動は、一時帰休に伴う休業手当が支払われた月に生じたため、3月の解消が起算月となる(6月月変)

(3月、5月の通常の報酬、4月の休業手当を含めた報酬の3か月平均で随時改定の要件を判断する)

随時改定(再開)

4月の支給再開を契機とする休業手当は4月のみのため、「継続して3か月超」の要件を満たさない ⇒ 随時改定に該当しない。

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消している ⇒ 4月(休業手当ありの月)を含めず、5、6月の報酬の平均で定時決定する。

結論

  • 2月の固定的賃金の変動(3月の解消が起算月)を契機とする随時改定(6月月変)
  • ①は休業手当をもって改定していないため、5月解消を起算とする随時改定(8月月変)に該当しない。
  • ②により通常の報酬のみで定時決定

ポイント

休業手当をもって標準報酬月額の決定又は改定を行った後に一時帰休の状況が解消したときも、随時改定の対象とすること(昭和50年3月29日保険発25号)

上記通達の「休業手当をもって」は、「一時帰休に伴う定時決定による決定」及び「一時帰休に伴う随時改定による改定」をいう(項番3、4を参照)

(通常の)固定的賃金の変動を契機とする随時改定による改定は、休業手当を含めた報酬をもとに改定した場合でも「休業手当をもって改定した」に該当しない(項番17、21も参照)


項番17

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、△固定的賃金の変動(通常時)、☆7月1日時点の状態(一時帰休解消)

2月に固定的賃金の変動(通常の給与月の変動)が生じ、3月に休業手当を受け始め、4月に解消し、7/1時点でも一時帰休が解消しているケース

固定的賃金の変動

2月の固定的賃金の変動は、通常の給与月に生じたため、通常の随時改定(5月月変)に該当する。

(2月、4月の通常の報酬、3月の休業手当を含めた報酬の3か月平均で随時改定の要件を判断する)

随時改定(開始)

3月の支給開始を契機とする休業手当は3月のみのため、「継続して3か月超」の要件を満たさない ⇒ 随時改定に該当しない。

定時決定

4、5、6月は一時帰休と関係ない ⇒4、5、6月の通常の報酬の3か月平均で定時決定する

結論

  • 2月の固定的賃金の変動を契機とする随時改定(5月月変)
  • ①は休業手当をもって改定していないため、4月解消を起算とする随時改定(7月月変)には該当しない。
  • ②により通常の報酬のみで定時決定

項番18

1234567891011121
報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、▲固定的賃金の変動(一時帰休中)、★7月1日時点の状態(一時帰休未解消)

4月に休業手当を受け始め、4月に固定的賃金の変動(一時帰休中の変動)が生じ、7/1時点で一時帰休が解消していない、その後8月に解消のケース

随時改定(開始)

4月の支給開始を契機とする休業手当は4、5、6月の3か月あり、7/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(7月月変)に該当する。

固定的賃金の変動

4月の固定的賃金の変動は、一時帰休に伴う休業手当が支払われた月に生じたため、9月の解消が起算月となる(12月月変)

(9、10、11月の通常の報酬の3か月平均で随時改定の要件を判断する)

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消していない ⇒ 4、5、6月の休業手当を含めた報酬の3か月平均で定時決定する。

結論

  • 7月改定が定時決定に優先するため、随時改定(7月月変)
  • 4月の固定的賃金の変動(9月の解消が起算月)を契機とする随時改定(12月月変)

項番19

1234567891011121
報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、▲固定的賃金の変動(一時帰休中)、☆7月1日時点の状態(一時帰休解消)

1月に休業手当を受け始め、3月に固定的賃金の変動(一時帰休中の変動)が生じ、その後7/1時点で一時帰休が解消しているケース

随時改定(開始)

1月の支給開始を契機とする休業手当は1、2、3月の3か月あり、4/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(4月月変)に該当する。

固定的賃金の変動

3月の固定的賃金の変動は、一時帰休に伴う休業手当が支払われた月に生じたため、7月の解消が起算月となる(10月月変)

(7、8、9月の通常の報酬の3か月平均で随時改定の要件を判断する)

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消している ⇒ 4、5、6月(休業手当ありの月)含めず、改定前の「従前の標準報酬月額」で定時決定する。

結論

  • 休業手当の支給開始を契機とする随時改定(4月月変)
  • ①の改定前の「従前の標準報酬月額」で定時決定(9月から適用)
  • 3月の固定的賃金の変動(7月の解消が起算月)を契機とする随時改定(10月月変)

項番20

1234567891011121
報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、▲固定的賃金の変動(一時帰休中)、☆7月1日時点の状態(一時帰休解消)

1月に休業手当を受け始め、4月に固定的賃金の変動(一時帰休中の変動)が生じ、5月に解消し、7/1時点でも一時帰休が解消しているケース

随時改定(開始)

1月の支給開始を契機とする休業手当は1、2、3月の3か月あり、4/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(4月月変)に該当する。

固定的賃金の変動

4月の固定的賃金の変動は、一時帰休に伴う休業手当が支払われた月に生じたため、5月の解消が起算月となる(8月月変)

(5、6、7月の通常の報酬の3か月平均で随時改定の要件を判断する)

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消している ⇒ 4月(休業手当ありの月)を含めず、5、6月の報酬の平均で定時決定する。

結論

  • 休業手当の支給開始を契機とする随時改定(4月月変)
  • 4月の固定的賃金の変動(5月の解消が起算月)を契機とする随時改定(8月月変)
  • ②の8月改定が定時決定に優先するため、定時決定は不要となる

項番21~30


項番21

1234567891011121
報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、△固定的賃金の変動(通常時)、★7月1日時点の状態(一時帰休未解消)

4月に固定的賃金の変動(通常の給与月の変動)が生じ、5月に休業手当を受け始め、7/1時点で一時帰休が解消していない、その後8月に解消のケース

固定的賃金の変動

4月の固定的賃金の変動は、通常の給与月に生じたため、通常の随時改定(7月月変)に該当する。

(4月の通常の報酬、5、6月の休業手当を含めた報酬の3か月平均で随時改定の要件を判断する)

随時改定(開始)

5月の支給開始を契機とする休業手当は5、6、7月の3か月あるが、8/1時点で一時帰休が解消しているため、「継続して3か月超」の要件を満たさない ⇒ 随時改定(8月月変)にも該当しない。

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消していない ⇒ 4月の通常の報酬、5、6月の休業手当を含めた報酬の3か月平均で定時決定する。

結論

  • 4月の固定的賃金の変動を契機とする随時改定(7月月変)
  • ①の7月改定が定時決定に優先するため、定時決定は不要となる
  • ①は休業手当をもって改定していないため、8月解消を起算とする随時改定(11月月変)に該当しない。

項番22

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報酬
○休業手当なし、▲固定的賃金の変動(一時帰休中)、☆7月1日時点の状態(一時帰休解消)

4月に休業手当を受け始め、4月に固定的賃金の変動(一時帰休中の変動)が生じ、5月に解消し、7/1時点でも一時帰休が解消しているケース

随時改定(開始)

休業手当の支給が4月のみのため、「継続して3か月超」の要件を満たさない ⇒ 随時改定に該当しない。

固定的賃金の変動

4月の固定的賃金の変動は、一時帰休に伴う休業手当が支払われた月に生じたため、5月の解消が起算月となる(8月月変)

(5、6、7月の通常の報酬の3か月平均で随時改定の要件を判断する)

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消している ⇒ 4月(休業手当ありの月)を含めず、5、6月の報酬の平均で定時決定する。

結論

  • 4月の固定的賃金の変動(5月の解消が起算月)を契機とする随時改定(8月月変)
  • ①の8月改定が定時決定に優先するため、定時決定は不要となる
  • ①は休業手当をもって改定していないため、5月解消は随時改定の契機とはならない(ただし、結果として①により改定している)

項番23

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、▲固定的賃金の変動(一時帰休中)、☆7月1日時点の状態(一時帰休解消)

4月に休業手当を受け始め、4月に固定的賃金の変動(一時帰休中の変動)が生じ、その後7/1時点で一時帰休が解消しているケース

随時改定(開始)

4月の支給開始を契機とする休業手当は4、5、6月の3か月あるが、7/1時点で一時帰休が解消しているため、「継続して3か月超」の要件を満たさない ⇒ 随時改定(7月月変)に該当しない。

固定的賃金の変動

4月の固定的賃金の変動は、一時帰休に伴う休業手当が支払われた月に生じたため、7月の解消が起算月となる(10月月変)

(7、8、9月の通常の報酬の3か月平均で随時改定の要件を判断する)

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消している ⇒ 4、5、6月(休業手当ありの月)を含めず、従前の標準報酬月額で定時決定する

結論

  • 「従前の標準報酬月額」で定時決定(9月から適用)
  • 4月の固定的賃金の変動(7月の解消が起算月)を契機とする随時改定(10月月変)
  • ①は休業手当をもって決定していないため、7月解消は随時改定の契機とはならない(ただし、結果として②により改定している)

項番24

1234567891011121
報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、▲固定的賃金の変動(一時帰休中)、☆7月1日時点の状態(一時帰休解消)

4月に休業手当を受け始め、4月に固定的賃金の変動(一時帰休中の変動)が生じ、7/1時点で一時帰休が解消している、その後9月に再開のケース

随時改定(開始)

4月の支給開始を契機とする休業手当は4、5、6月の3か月あるが、7/1時点で一時帰休が解消しているため、「継続して3か月超」の要件を満たさない ⇒ 随時改定(7月月変)に該当しない。

固定的賃金の変動

4月の固定的賃金の変動は、一時帰休に伴う休業手当が支払われた月に生じたため、7月の解消が起算月となる(10月月変)

(7、8月の通常の報酬、9月の休業手当を含めた報酬の3か月平均で随時改定の要件を判断する)

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消している ⇒ 4、5、6月(休業手当ありの月)を含めず、従前の標準報酬月額で定時決定する

随時改定(再開)

9月の支給再開を契機とする休業手当は9、10、11月の3か月あり、12/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(12月月変)に該当する。

結論

  • 従前の標準報酬月額で定時決定
  • 4月の固定的賃金の変動(7月の解消が起算月)を契機とする随時改定(10月月変)
  • 休業手当の9月再開を契機とする随時改定(12月月変)
  • 以降は解消の状況による

(固定的賃金が減額されない状況は継続して3か月を超えていないため、7月解消は随時改定の契機とならない)


項番25

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、▲固定的賃金の変動(一時帰休中)、★7月1日時点の状態(一時帰休未解消)

1月に休業手当を受け始め、5月に解消し、6月に再開し、6月に固定的賃金の変動(一時帰休中の変動)が生じ、7/1時点で一時帰休が解消していない、その後翌1月に解消のケース

随時改定(開始)

1月の支給開始を契機とする休業手当は1、2、3月の3か月あり、4/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(4月月変)に該当する。

固定的賃金の変動

6月の固定的賃金の変動は、一時帰休に伴う休業手当が支払われた月に生じたため、翌1月の解消が起算月となる(翌4月月変)

(翌1月の通常の報酬、翌2、3月の報酬の3か月平均で随時改定の要件を判断する)

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消していない ⇒ 5月の通常の報酬、4、6月の休業手当を含めた報酬の3か月平均で定時決定する。

随時改定(再開)

6月の支給再開を契機とする休業手当は6、7、8月の3か月あり、9/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(9月月変)に該当する。

結論

  • 休業手当の支給開始を契機とする随時改定(4月月変)
  • ①による休業手当を含む標準報酬月額が解消されていないため、6月再開を契機とする随時改定(9月月変)は行われない(休業手当の開始を契機とした等級から休業手当の再開を契機とする等級への変更は、一時帰休に伴う随時改定の対象外)
  • ②により9月月変にならないため、休業手当を含めて定時決定
  • 6月の固定的賃金の変動(翌1月の解消が起算月)を契機とする随時改定(翌4月月変)

(事例表には、備考欄にて④の随時改定について記載あり)

補足

事例表では②の随時改定(9月月変)が行われていない。

支給再開を契機とする随時改定が行われている項番15、26、28、29は、開始と再開との間に通常の報酬による決定又は改定が行われているため、②③のように解釈した。

なお、日本年金機構の疑義照会(月額変更届 整理番号28)に同旨の事案が示されており、当該事案を項番25に当てはめると、「1月開始5月解消の一時帰休」の解消に伴う改定が行われていないため、「6月再開の一時帰休」の開始を契機とする随時改定は該当しないとされている。

(疑義照会の事案においては、6月再開時の等級は1月開始時の等級よりも2等級以上さがっていることも明記されている)

ただし、項番15を考慮すると「解消に伴う改定が行われていない」場合でも、改定前の従前の標準報酬月額で定時決定された(又は固定的賃金の変動を契機とする改定が行われた。詳細は項番26を参照。)場合には一時帰休の再開を契機とする随時改定が行われているため、この記事では②の表記とした。


項番26

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報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、▲固定的賃金の変動(一時帰休中)、☆7月1日時点の状態(一時帰休解消)

1月に休業手当を受け始め、5月に解消、6月に再開、6月に固定的賃金の変動(一時帰休中の変動)が生じ、7/1時点で一時帰休が解消している、その後8月に再開し、翌1月に解消のケース

随時改定(開始)

1月の支給開始を契機とする休業手当は1、2、3月の3か月あり、4/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(4月月変)に該当する。

固定的賃金の変動

6月の固定的賃金の変動は、一時帰休に伴う休業手当が支払われた月に生じたため、7月の解消が起算月となる(10月月変)

(7月の通常の報酬、8、9月の報酬の3か月平均で随時改定の要件を判断する)

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消している ⇒ 4、6月(休業手当ありの月)を含めず、5月の報酬で定時決定する。

随時改定(再開)

6月の支給再開を契機とする休業手当は6月のみのため、「継続して3か月超」の要件を満たさない ⇒ 随時改定に該当しない。

8月の支給再開を契機とする休業手当は8、9、10月の3か月あり、11/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(11月月変)に該当する。

結論

  • 休業手当の支給開始を契機とする随時改定(4月月変)
  • 通常の報酬のみで定時決定(9月から適用)
  • 6月の固定的賃金の変動(7月の解消が起算月)を契機とする随時改定(10月月変)
  • ③により6月の固定的賃金の変動を反映した標準報酬月額に改定されたため、休業手当の8月再開を契機とする随時改定(11月月変)に該当する
  • 以降は解消の状況による

項番27

1234567891011121
報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、▲固定的賃金の変動(一時帰休中)、☆7月1日時点の状態(一時帰休解消)

1月に休業手当を受け始め、4月に固定的賃金の変動(一時帰休中の変動)が生じ、7/1時点で一時帰休が解消しているケース

随時改定(開始)

1月の支給開始を契機とする休業手当は1、2、3月の3か月あり、4/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(4月月変)に該当する。

固定的賃金の変動

4月の固定的賃金の変動は、一時帰休に伴う休業手当が支払われた月に生じたため、7月の解消が起算月となる(10月月変)

(7、8、9月の通常の報酬の3か月平均で随時改定の要件を判断する)

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消している ⇒ 4、5、6月(休業手当ありの月)を含めず、改定前の「従前の標準報酬月額」で定時決定する

結論

  • 休業手当の支給開始を契機とする随時改定(4月月変)
  • ①の改定前の「従前の標準報酬月額」で定時決定(9月から適用)
  • 4月の固定的賃金の変動(7月の解消が起算月)を契機とする随時改定(10月月変)

項番28

1234567891011121
報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、▲固定的賃金の変動(一時帰休中)、☆7月1日時点の状態(一時帰休解消)

1月に休業手当を受け始め、3月に固定的賃金の変動(一時帰休中の変動)が生じ、7/1時点で一時帰休が解消している、その後8月に再開し、12月に解消のケース

随時改定(開始)

1月の支給開始を契機とする休業手当は1、2、3月の3か月あり、4/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(4月月変)に該当する。

固定的賃金の変動

3月の固定的賃金の変動は、一時帰休に伴う休業手当が支払われた月に生じたため、7月の解消が起算月となる(10月月変)

(7月の通常の報酬、8、9月の報酬の3か月平均で随時改定の要件を判断する)

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消している ⇒ 4、5、6月(休業手当ありの月)を含めず、改定前の「従前の標準報酬月額」で定時決定する

随時改定(再開)

8月の支給再開を契機とする休業手当は8、9、10月の3か月あり、11/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(11月月変)に該当する。

結論

  • 休業手当の支給開始を契機とする随時改定(4月月変)
  • ①の改定前の「従前の標準報酬月額」で定時決定(9月から適用)
  • 3月の固定的賃金の変動(7月の解消が起算月)を契機とする随時改定(10月月変)
  • ③により3月の固定的賃金の変動を反映した標準報酬月額に改定されたため、休業手当の8月再開を契機とする随時改定(11月月変)に該当する
  • 以降は解消の状況による

項番29

1234567891011121
報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、△固定的賃金の変動(通常時)、☆7月1日時点の状態(一時帰休解消)

1月に休業手当を受け始め、5月に解消し、5月に固定的賃金の変動(通常の給与月の変動)が生じ、7/1時点で一時帰休が解消している、その後8月に再開のケース

随時改定(開始)

1月の支給開始を契機とする休業手当は1、2、3月の3か月あり、4/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(4月月変)に該当する。

固定的賃金の変動

5月の固定的賃金の変動は、通常の給与月に生じたため、通常の随時改定(8月月変)に該当する。

(5、6、7月の通常の報酬の3か月平均で随時改定の要件を判断する)

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消している ⇒ 4月(休業手当ありの月)を含めず、5、6月の報酬の平均で定時決定する。

随時改定(再開

8月の支給再開を契機とする休業手当は8、9、10月の3か月あり、11/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(11月月変)に該当する。

結論

  • 休業手当の支給開始を契機とする随時改定(4月月変)
  • 8月改定が定時決定に優先するため、5月の固定的賃金の変動を契機とする随時改定(8月月変)
  • ②により5月の固定的賃金の変動を反映した標準報酬月額に改定されたため、休業手当の8月再開を契機とする随時改定(11月月変)に該当する
  • 以降は解消の状況による

項番30

1234567891011121
報酬
○休業手当なし、●休業手当あり、△固定的賃金の変動(通常時)、☆7月1日時点の状態(一時帰休解消)

1月に休業手当を受け始め、5月に解消し、5月に固定的賃金の変動(通常の給与月の変動)が生じ、7/1時点でも一時帰休が解消しているケース

随時改定(開始)

1月の支給開始を契機とする休業手当は1、2、3月の3か月あり、4/1時点で一時帰休が解消していないため、「継続して3か月超」の要件を満たす ⇒ 随時改定(4月月変)に該当する。

固定的賃金の変動

5月の固定的賃金の変動は、通常の給与月に生じたため、通常の随時改定(8月月変)に該当する。

(5、6、7月の通常の報酬の3か月平均で随時改定の要件を判断する)

なお、5月解消を起算とする随時改定(8月月変)とした場合でも、その随時改定に「5月の固定的賃金の変動」が適用される。

定時決定

7/1時点で一時帰休が解消している ⇒ 4月(休業手当ありの月)を含めず、5、6月の報酬の平均で定時決定する。

結論

  • 休業手当の支給開始を契機とする随時改定(4月月変)
  • 8月改定が定時決定に優先するため、5月の固定的賃金の変動を契機とする随時改定(8月月変)

まとめ

解説は以上です。

事例表そのものは、下記の参考資料等をご参照ください。


(参考資料等)

平成25年5月31日事務連絡(健康保険法及び厚生年金保険法における「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」の一部改正について〔健康保険法〕)より|
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc0429&dataType=1&pageNo=1

  • 一時帰休に伴う休業手当等が支払われた場合の標準報酬月額について(事例表)

日本年金機構ホームページ|主な疑義照会と回答についてより|
https://www.nenkin.go.jp/service/seidozenpan/gigishokai.html

  • 厚生年金保険 適用