この記事では、電子資格確認(オンライン資格確認)など、保険給付を受けるための資格確認を解説しています。
記事中の略語は、それぞれ次の意味で使用しています。
- 法 ⇒ 健康保険法
- 令 ⇒ 健康保険法施行令
- 則 ⇒ 健康保険法施行規則
- 協会 ⇒ 全国健康保険協会
- 保険者 ⇒ 協会、各健康保険組合
- 保険者等 ⇒ 協会管掌は厚生労働大臣、組合管掌は健康保険組合
- 機構 ⇒ 日本年金機構
- 保険医療機関等 ⇒ 法63条3項各号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局
- 基金 ⇒ 社会保険診療報酬支払基金
- 国保連合会 ⇒ 国民健康保険団体連合会
- 国保中央会 ⇒ 公益社団法人国民健康保険中央会
当記事は、条文等の趣旨に反するような極端な意訳には注意しておりますが、厳密な表現と異なる部分もございます。
詳しくは免責事項をご確認ください。
被保険者等の資格情報
被保険者の資格の取得及び喪失の効力を発生させるための確認は、こちらをご参照ください。

保険者は、基金又は国保連合会(以下、基金等)に対して、診療報酬の審査・支払の事務のほか、被保険者又は被扶養者の資格に係る情報(以下、単に「資格情報」と表記します)の収集等の事務を委託できます(法205条の4)
オンライン資格確認等の利用を可能とするシステムは、基金と国保中央会(国保連合会を会員として組織される公益法人)が主体となって運営しています。
(加工前の条文はタブを切り替えると確認できます)
保険者は、基金等に資格情報の収集等の事務を委託する場合は、次の①~④いずれかの日から5日以内に、資格情報を、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により、基金等に提供するものとする(則24条の4、39条)
- 保険者等が資格の取得及び喪失の確認を行った日(適用事業所の事業主からの届出による場合には、当該届出を受けた日)
- 保険者等が被扶養者の届出(被扶養者にするとき又は被扶養者に異動が生じたときの届出に限る)を受けた日
- 保険者が任意継続被保険者の資格取得の申出を受けた日
- 保険者が任意継続被保険者の資格喪失の申出を受けた日の属する月の末日
健康保険法施行規則
第二十四条の四(保険者による被保険者情報の登録)
保険者は、法第二百五条の四第一項の規定により同項第二号又は第三号に掲げる事務を委託する場合は、厚生労働大臣若しくは健康保険組合が法第三十九条第一項本文の確認を行った日(法第四十八条の規定による届出による場合には、当該届出を受けた日)、当該保険者が第四十二条の規定による申出を受けた日又は当該保険者が第四十二条の二の規定による申出を受けた日の属する月の末日から五日以内に、当該確認、届出又は申出に係る被保険者の資格に係る情報を、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により、社会保険診療報酬支払基金又は国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第四十五条第五項に規定する国民健康保険団体連合会に提供するものとする。
第三十九条(保険者による被扶養者情報の登録)
第二十四条の四の規定は、第三十八条第一項の規定による届出又は同条第二項本文の規定による届出(被扶養者に異動が生じたときに限る。)を受けた場合について準用する。この場合において、第二十四条の四中「若しくは健康保険組合が法第三十九条第一項本文の確認を行った日(法第四十八条の規定による届出による場合には、当該届出を受けた日)、当該保険者が第四十二条の規定による申出を受けた日又は当該保険者が第四十二条の二の規定による申出を受けた日の属する月の末日」とあるのは「又は健康保険組合が第三十八条第一項の規定による届出又は同条第二項の規定による届出(被扶養者に異動が生じたときに限る。)を受けた日」と、「確認、届出又は申出に係る被保険者」とあるのは「届出に係る被扶養者」と読み替えるものとする。
被保険者及び被扶養者がオンライン資格確認を受けられるよう、届出等を受けた日から5日以内に、資格情報を基金等に提供します(同旨 令和5年5月31日保発0531第1号)
④申出による任継の喪失は、その申出が受理された日の属する月の末日が到来したときに、その翌日に喪失する(法38条7号)ため、月末が到来した場合には資格情報を5日以内に提供します。
ちなみに、「電子情報処理組織」の定義は、各法令により多少の違いはあります。
学習の上では、コンピューターとコンピューターを通信回線で繋いだシステム(パソコンやスマホ単体でなく、この仕組み全体のこと)と考えて問題ないでしょう。
電子資格確認等

ここからは、病院等から資格情報の確認を受ける場面の解説です。
下記の者を総称して「病院等から療養等を受けようとする者」と表記します。
- 保険医療機関等から療養を受けようとする者
- 指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けようとする者
厳格な定義は下のタブ(解説|条文)を切り替えてご確認ください。
「電子資格確認」とは、病院等から療養等を受けようとする者が、保険者に対し、個人番号カード(マイナンバーカード)に記録された利用者証明用電子証明書(マイナンバーカードのICチップ内の電子証明書)を送信する方法により、資格情報(保険給付に係る費用の請求に必要な情報を含む)の照会を行い、保険者から回答を受けて当該情報を病院等に提供し、病院等から被保険者又は被扶養者であることの確認を受けること(オンライン資格確認のこと)をいう。
健康保険法
第三条(定義)
13 この法律において「電子資格確認」とは、保険医療機関等(第六十三条第三項各号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局をいう。以下同じ。)から療養を受けようとする者又は第八十八条第一項に規定する指定訪問看護事業者から同項に規定する指定訪問看護を受けようとする者が、保険者に対し、個人番号カード(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第七項に規定する個人番号カードをいう。)に記録された利用者証明用電子証明書(電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第二十二条第一項に規定する利用者証明用電子証明書をいう。)を送信する方法その他の厚生労働省令で定める方法により、被保険者又は被扶養者の資格に係る情報(保険給付に係る費用の請求に必要な情報を含む。)の照会を行い、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により、保険者から回答を受けて当該情報を当該保険医療機関等又は指定訪問看護事業者に提供し、当該保険医療機関等又は指定訪問看護事業者から被保険者又は被扶養者であることの確認を受けることをいう。
健康保険法施行規則
第一条の二
法第三条第十三項の厚生労働省令で定める方法は、利用者証明用電子証明書(電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律第二十二条第一項に規定する利用者証明用電子証明書をいう。第五十三条第一項第一号において同じ。)を送信する方法とする。
電子資格確認を行えるよう登録したマイナンバーカードが、いわゆるマイナ保険証です。
スマホ用のマイナ保険証については、マイナンバーカードの機能を登録したスマホ(本体の安全な領域)に記録された電子証明書を用いて、オンライン資格確認を行います。
以降、基本的には、カードとしてのマイナンバーカード(カードとしてのマイナ保険証)を想定して解説しています。
(おかしな日本語ですみません…)
規定を事例形式にすると下記のようになります。

- 保険診療を受ける人は、顔認証または暗証番号により「本人確認」を受けます。
- ①による本人確認を受けた上で、マイナンバーカードのICチップ内の電子証明書を保険者側に送信し、資格情報を照会します。
- 保険者側は②の電子証明書の有効性を検証し、有効な場合は資格情報を回答します。
- 保険診療を受ける人は、「②照会 ⇔ ③回答」で得られた資格情報を病院に提供します。
- 提供した情報をもとに、病院から「① 本人確認」+「④ 資格情報の確認」を受けたため、保険診療を受けられます。
ちなみに、実際の②③は、保険者と直接行っているわけではなく、基金と国保中央会で運営しているオンライン資格確認等システムを通じて行われています。
関係者の連携及び協力
国、協会、健康保険組合、保険医療機関等その他の関係者は、電子資格確認の仕組みの導入その他手続における情報通信の技術の利用の推進により、医療に関する給付を定める法令による事務が円滑に実施されるよう、相互に連携を図りながら協力することになっています(法205条の5)

療養の給付を受けようとする者は、自己の選定する保険医療機関等から、電子資格確認その他厚生労働省令で定める方法(電子資格確認等)により、被保険者であることの確認を受ける必要があります(法63条3項)
入院時食事(生活)療養費の支給、保険外併用療養費の支給、訪問看護療養費の支給、これらに相当する被扶養者の給付も同じです(法85条、85条の2、86条、88条、110条、111条)。なお、資格確認書を提出又は提示する場合も同様です(法51条の3)
電子資格確認(次の①の方法を含む一連の確認行為)は、先に解説したとおりです。
厚生労働省令で定める方法は、下記①〜⑤になります(則53条1項、90条、94条)
- 個人番号カードに記録された利用者証明用電子証明書を送信する方法
- 資格確認書(後述)を提出し、又は提示する方法
- 処方せんを提出する方法(法63条3項各号の薬局から療養を受ける場合に限る)
- 保険医療機関等又は指定訪問看護事業者が、過去に取得した療養又は指定訪問看護を受けようとする者の資格情報(保険給付に係る費用の請求に必要な情報を含む)を用いて、保険者に対し、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により、あらかじめ照会を行い、保険者から回答を受けて取得した直近の当該情報を確認する方法
- その他厚生労働大臣が定める方法(令和6年11月29日厚労告349号)
④の方法は、当該者が療養(居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護又は居宅における薬学的管理及び指導に限る)又は指定訪問看護を受けようとする場合であって、当該保険医療機関等又は指定訪問看護事業者から電子資格確認による確認を受けてから継続的な療養又は指定訪問看護を受けている場合に限り認められています(則53条1項4号)
⑤については、天災やネットワークの不具合などにより電子資格確認(オンライン資格確認)ができない場合の取扱いです。具体的には、下のタブに格納しておきます。
(災害救助法は考慮せずに解説しています)
直前の⑤における厚生労働大臣が定める方法は、当分の間、次の①~④となります(令和6年11月29日厚労告349号)
ただし、次の①~④により資格確認を受けられるのは、電子資格確認によって確認を受けられなかった場合に限られます(前掲告示)
- 個人番号カードとともに、情報提供等記録開示システム(マイナポータル)を通じて取得した資格情報が記録されたものを提示する方法
- 個人番号カードとともに、保険者から被保険者に対して通知された資格情報通知書(別名 資格情報のお知らせ)を提示する方法
- 移動端末設備(当該移動端末設備に組み込まれた電磁的記録媒体に移動端末設備用利用者証明用電子証明書が記録されているものに限る)を用いて情報提供等記録開示システムを通じて取得した資格情報を提示する方法
- 個人番号カード用利用者証明用電子証明書の発行を受けた者が、当該電子証明書の有効期間が満了した日から当該日の属する月の末日から3か月を経過するまでの間において、当該電子証明書に記録された利用者証明利用者検証符号に対応する利用者証明利用者符号を用いた本人確認を受けた上で、保険者に対し、資格情報(保険給付に係る費用の請求に必要な情報を含む)の照会を行い、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により、保険者等から回答を受けて当該情報を療養の給付を受けようとする保険医療機関等又は指定訪問看護を受けようとする指定訪問看護事業者に提供し、当該保険医療機関等又は指定訪問看護事業者から被保険者又は被扶養者であることの確認を受ける方法
試験対策として、告示の文章を大きく変えず記載しました。
日常生活では使わない用語もあるため①~④の趣旨を補足しておきます。
①②資格情報の提示

①は「マイナンバーカード + マイナポータルによる資格情報が記録されたもの(*補)」を提示する方法です。
(*補)マイナポータルの資格情報の画面、又はその情報をダウンロードしたPDFファイルです。
②は「マイナンバーカード + 資格情報通知書(資格情報のお知らせ)」を提示する方法です。
なお、「資格情報のお知らせ」「マイナポータルによる資格情報が記録されたもの」いずれも持ち合わせていない場合でも、病院等の窓口で被保険者資格申立書を記入して提出する方法も認められています。また、再診については、過去の受診から資格情報が変わっていないことを口頭で確認し、被保険者資格申立書に記載すべき情報を把握できている場合には、当該申立書の提出があったとして差し支えないとされています(令和5年7月10日保発0710第1号)
③スマホのマイナ保険証
③(直前の箇条書きにおける③を参照)は、「スマホ用のマイナ保険証」としての電子証明書が記録されているもの(つまり、マイナ保険証として利用できるスマホ)を用いてマイナポータルを通じて資格情報を取得し、当該取得した情報を提示する方法です。
ちなみに、「移動端末設備用 利用者証明用 電子証明書」が、スマホに記録された電子証明書です(同旨 公的個人認証法35条の2第1項)
④証明書の有効期限切れ
④は、マイナ保険証(カード型のマイナンバーカード)の電子証明書の有効期限が切れた場合でも、有効期限満了日が属する月の末日から3か月間は、オンライン資格確認と同旨の方法で資格確認を受けられる趣旨の規定です。
ちなみに、「個人番号カード用 利用者証明用 電子証明書」が、カード型のマイナンバーカードのICチップに記録された電子証明書です(同旨 公的個人認証法22条1項)
また、公開鍵暗号基盤(PKI)における公開鍵(秘密鍵で作成されたデータが正しいかを検証するためのデータ)が「利用者証明 利用者 検証符号」です。それに対応する秘密鍵(本人を証明するための計算に使用するデータ)が「利用者証明 利用者 符号」です(同旨 公的個人認証法2条5項)
以降は資格情報の確認の方法ではなく、その確認に使用する媒体(資格確認書、被保険者資格証明書、高齢受給者証)を解説します。
マイナンバーカードにマイナ保険証の機能を登録する手順は、厚生労働省による説明(外部リンク)をご参照ください。
資格確認書

被保険者証(いわゆる保険証)は、マイナ保険証により廃止されました。
とはいえ、資格確認書が従来の被保険証に相当します。
資格確認書を提出し又は提示する方法は、電子資格確認等(前述)の範囲に含まれます。
ただし、電子資格確認(オンライン資格確認)を受けられる状況にあれば、資格確認書の交付(又は提供)はありません。
(被保険者資格証明書は後述します)
被保険者又はその被扶養者の資格に係る情報のうち氏名、被保険者等記号・番号等など省令で定める事項を記載又は表示したものを「資格確認書」といいます(法51条の3第1項、則47条2項)
- 被保険者又はその被扶養者が電子資格確認を受けられない状況にあるとき(*1)は、当該被保険者は、保険者に対し申請書を提出し、資格確認書の書面による交付又は電磁的方法(情報通信の技術を利用する方法で一定のもの)による提供を求めることができます(法51条の3第1項前段、則47条1項)
- ①の求めがあった場合において、保険者は、当該被保険者に対して、速やかに、資格確認書を交付又は電磁的方法により提供します(法51条の3第1項後段)
(*1)マイナンバーカードを持っていないとき、持っていてもマイナ保険証の登録を現にしていないとき、又は登録をしていても諸事情により利用できないとき(以下同じ)

資格確認書は、様式の制限はあるものの、書面(カード、はがき、A4サイズ)の交付だけでなく、デジタル化(詳細は下記タブを参照)も認められています(則47条4項、則51条の2、則様式9号)
以降の解説においても、「交付」とあれば書面、「提供」とあればデジタル化と認識してください(条文においても同じ表現です)
資格確認書の規格は、下のタブに格納しておきます。

資格確認書の規格は、書面を交付する場合は①、デジタルで提供する場合は②です(則47条2項)
- 書面
必要事項を記載した則様式9号による書面であって、複製等を防止し、又は抑止するための措置その他の必要な措置を講じたもの - デジタル
必要事項を電磁的方法(注1)により表示できるもの
(注1)電子情報処理組織を使用する方法のうち、送信者の使用に係る電子計算機(コンピューター)に備えられたファイルに記録された情報を電気通信回線(有線、無線を駆使して相手に情報を伝える仕組み)を通じて提供を受ける者の閲覧に供する方法(受信者のコンピューターに表示する方法)であって、複製等を防止し、又は抑止するための措置その他の必要な措置を講じたものであって、則様式9号により表示できるものに限られます(則47条2項、4項)
②は、データの複製への対策を講じ、かつ、書面と同じ様式(縦横の比率を同じ)をスマホなどの端末に表示させる方法です。
(デジタルの場合は、A4サイズを採用できません)
①及び②における必要事項は、下記になります(則47条3項)
- 交付又は提供に係る被保険者又はその被扶養者の氏名、性別及び生年月日(注2)
- 被保険者等記号・番号及び保険者番号並びに保険者の名称
- 資格取得年月日及び資格確認書の交付又は提供の年月日
- 一部負担金の割合又は100分の100から家族療養費の給付割合を控除して得た割合及び発効期日(注3)
- 有効期限
- 被保険者の氏名(被扶養者に係る資格確認書に限る)
- その他保険者が定める事項であって申請者が書面への記載又は電磁的方法による提供を求めたもの(注4)
(注2)必要事項に「住所」は含まれません(被保険者証と同じように裏面に自署する形式です)
(注3)交付又は提供に係る被保険者又は被扶養者が70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合であって、当該被保険者又はその被扶養者が高齢受給者証の交付を受けていないときに限ります。
別途、高齢受給者証を交付している場合は、資格確認書への負担割合及び発行期日(その負担割合が有効になる日付)の表示は省略できる という趣旨です。
(注4)限度額適用認定または限度額適用・標準負担額減額認定の区分、長期高額疾病(特定疾病療養受療証)の認定に係る事項が想定されています(則様式9号(2)(4)(6)ほか)
有効期限
資格確認書の有効期限は、交付又は提供の日から起算して5年を超えない範囲内で、保険者が定めます(則47条2項)
経過措置
本則(法51条の3)では、被保険者から保険者へ「資格確認書を求めることができる」です。
ただし、保険者は、被保険者が資格確認書の交付又は提供を求めることができる場合において、必要があると認めるときは、当分の間、職権で、被保険者に対し、資格確認書を交付又は提供(することが)できます(令和5年6月9日法律48号附則15条)

結論としては、協会管掌の事業主による届出(機構に提出する届書)については、資格取得届、被扶養者(異動)届に「資格確認書の発行が必要」というチェック欄があるため、必要な場合は当該チェック欄に ✓ をすれば足ります。
なお、組合管掌の場合は、各健保組合の取扱いをご確認ください(以降の解説において同じ)
以降の「申請」は、経過措置(保険者の職権による交付又は提供)を考慮し、次のケースを想定して解説しています。
- マイナ保険証を保有しておらず、早急に資格確認書が必要なとき
- マイナ保険証の利用登録解除やマイナンバーカードを返納し、早急に資格確認書が必要なとき
- 資格確認書を紛失したとき
- 資格確認書をき損したとき
また、資格確認書の交付、送付、添える、再交付、提出、返納または回収は、書面(物)としての資格確認書を意味します(同旨 則36条1項かっこ書)
申請書の提出の方法
- 資格確認書の交付又は提供を求める被保険者は、申請書を保険者に提出する(則47条1項本文)
- 申請書の提出は、申請者が任意継続被保険者の場合を除き、事業主を経由して行う(則47条1項本文)
- ただし、災害その他やむを得ない事情により困難だと保険者が認めるときは、事業主の経由を要しない(則47条1項ただし書)
ちなみに、申請書の記載事項には「申請の理由」がある(則47条1項5号)ものの、協会けんぽの場合は「マイナ保険証を利用できない状況にあるため」というチェック欄に ✓ をすれば足ります。
資格確認書の交付の方法
- 保険者は、申請者に資格確認書を交付しようとするときは、事業主に送付しなければならない(則47条5項本文)
- ただし、保険者が支障がないと認めるときは、申請者に送付できる(則47条5項ただし書)
- ①による資格確認書の送付があったときは、事業主は、遅滞なく、申請者に送付しなければならない(則47条6項)
①における申請者が任意継続被保険者の場合は、保険者から任意継続被保険者に直接送付します(則47条8項)
事業主を経由せずに交付するケース
ここまでの解説にかかわらず、次の①~③の場合は、事業主を経由せずに資格確認書の交付その他の手続きを行います。以降、資格確認書の解説において同じです(則47条7項)
- 長期高額疾病についての負担軽減(令41条9項)による保険者の認定に係る情報を資格確認書に記載した場合(*2)
- 限度額適用認定(高額療養費算定基準額について令42条2項1号から4号までのいずれかの区分に該当する者に対して行われる、保険者による認定)に係る情報を資格確認書に記載した場合(*2)
- 限度額適用・標準負担額減額認定(高額療養費算定基準額について令42条2項5号の区分に該当する者に対して行われる、保険者による認定)に係る情報を資格確認書に記載した場合(*2)
(*2)被保険者は、特定疾病療養受療証(マル長)、限度額適用認定証または限度額適用・標準負担額減額認定証の交付その他の手続を事業主を経由して行おうとするときは、事業主及び保険者に対しその旨の意思を表示をする必要があります(則98条8項、103条の2第4項、105条3項)。この意思表示をした場合は、上記①~③であっても事業主を経由できます(則47条7項1号、2号、3号)
①〜③における各用語は、高額療養費の解説(こちら)をご参照ください。
以降、任意継続被保険者に係る手続きは、保険者と直接行う前提で解説します。
訂正・再交付は、資格確認者(書面に限る)の交付を受けていて、電子資格確認を受けられない状況にあるときの取扱いです。
訂正

- 被保険者等記号・番号、氏名又は性別に変更があったときは、遅滞なく、資格確認書を保険者に提出しなければならない(則48条1項本文)
- ①において、協会に提出するときは事業主及び厚生労働大臣の順に、健康保険組合に提出するときは事業主を経由して行う(則48条1項ただし書)
- 保険者は、①による資格確認書の提出があったときは、遅滞なく、その事項を訂正し、事業主を経由して被保険者に返付しなければならない(則48条2項本文)
協会管掌の場合は、適用関係の業務を厚生労働大臣(実務は機構)が担当するため、②の取扱い(氏名変更届などに添付する)となります。
「住所」については、資格確認書の記載事項に含まれないため(裏面に自分で記入する形式のため)、住所変更の届出が必要な場合でも当該届書(住所変更届)に資格確認書を添付する必要はありません。
ちなみに、③の取扱い(保険者から相手に返付する手順)は、保険者が支障がないと認めるときは、事業主を経由する必要はありません(則48条2項ただし書)
再交付
- 被保険者は、資格確認書を破り、汚し、又は失ったときは、申請書を保険者に提出して、再交付を申請できる(則49条1項)
- ①の申請書(失ったときを除く)には、資格確認書を添えなければならない(則49条2項)
- 保険者は、①の申請を受けたときは、資格確認書を被保険者に再交付しなければならない(則49条3項)
- 被保険者は、③再交付を受けた後、失った資格確認書を発見したときは、直ちに、発見した資格確認書を保険者に返納しなければならない(則49条4項)
- ①による申請、③による再交付及び④による返納は、事業主を経由して行う(則49条5項)
- ただし、災害その他やむを得ない事情により、⑤について事業主の経由は困難だと保険者が認めるときは、事業主の経由を要しない(則49条5項ただし書)
ちなみに、⑤にかかわらず、③の取扱い(保険者から相手に再交付する手順)は、保険者が支障がないと認めるときは、事業主を経由する必要はありません(則49条6項)
被扶養者資格の再確認はこちらで解説しています。
資格確認書(書面に限る)は、検認又は更新の対象です(則36条1項かっこ書、50条)。なお、任意継続被保険者も同様に対象です(則50条4項、8項)
- 保険者は、毎年一定の期日を定めて、資格確認書の検認又は更新ができる(則50条1項)
- 事業主は、①の検認又は更新のため、資格確認書の提出を求められたときは、被保険者にその提出を求め、遅滞なく、保険者に提出しなければならない(同条2項)
- 被保険者は、②により資格確認書の提出を求められたときは、遅滞なく、事業主を経由して保険者に提出しなければならない。ただし、保険者が支障がないと認めるときは、事業主の経由を要しない(同条3項)
- 保険者は、②により資格確認書の提出があったときは、遅滞なく、検認又は更新して、被保険者に交付しなければならない(同条5項)
- 保険者は、④により被保険者に資格確認書を交付しようとするときは、事業主に送付しなければならない。ただし、保険者が支障がないと認めるときは、被保険者に送付できる(同条6項)
- 事業主は、⑤により資格確認書の送付を受けたときは、遅滞なく、被保険者に送付しなければならない(同条7項)
- ①により検認又は更新を行った場合において、その検認又は更新を受けない資格確認書は、無効とする(同条9項)

被保険者は、資格確認書(書面に限る)の交付を受けている前提で解説します。
事業主は、次の①〜④の場合には、遅滞なく、資格確認書を回収して、保険者に返納する必要があります。ただし、協会に返納するときは厚生労働大臣を経由して行います(則51条1項)
- 被保険者が資格を喪失したとき。
- 被保険者の保険者に変更があったとき。
- 被保険者の被扶養者が異動したとき。
- 共済組合の組合員の資格を取得したときの届出(則29条の2の届書と読み替えた資格喪失届)を行うとき。
①又は④において事業主が返納すべき資格確認書は、やむを得ない場合を除き、資格喪失届に添える必要があります(則51条3項)
(その後、機構は協会へ返納します)
被保険者は、上記①~④(④については共済組合の組合員の資格を取得したとき)のいずれかに該当した場合、5日以内に、資格確認書を事業主に提出する必要があります(則51条4項)
任意継続被保険者が上記①~④のいずれかに該当した場合は、当該被保険者は、5日以内に、資格確認書を保険者に返納する必要があります(則51条2項)
なお、①の理由が死亡のとき、又は事業主へ資格確認書を提出する前に被保険者が死亡したときは、埋葬料又は埋葬費の支給を受けるべき者がその申請の際、保険者に返納します。ただし、それらの支給を受けるべき者がいないときは、埋葬を行なった者が返納します(則51条5項)
被保険者資格証明書

つづいて、被保険者資格証明書を解説します。
以降、交付、提供、返付または再交付を「交付等」と表記しています。
- 資格確認書
マイナ保険証を利用していない人が、保険給付を受ける際に病院等の窓口で提示する、実質的には被保険者証のようなもの(カード、はがき、A4サイズ、又はデジタル化されたもの)です。 - 被保険者資格証明書
協会管掌の健康保険において、マイナ保険証が利用可能となるまでの間や資格確認書の交付等を受けるまでの間に療養を受ける必要がある場合に、病院等の窓口で提示する証明書(紙)です。 - 資格情報通知書(別名:資格情報のお知らせ)
被保険者又はその被扶養者の資格に係る情報(氏名、被保険者等記号・番号等、資格取得年月日など)をお知らせしたもの(書面又はデジタルによる通知)です。
①は、単体で保険診療を受けられます。解説は前述のとおりです。
②は、有効期限(実務上は20日以内)はあるものの、単体で保険診療を受けられます。具体的には、これから解説します。
③は、単体では保険診療を受けられません。ただし、他のものと組み合わせると受けられる場合があります(こちらで解説しています)
交付・返納

被保険者資格証明書の取扱いは、次の①~③となります(則50条の2)
- 厚生労働大臣は、協会管掌の被保険者に対し、資格情報の登録又は資格確認書の交付等が行われるまでの間に、当該被保険者を使用する事業主又は当該被保険者から求めがあった場合において、当該被保険者又はその被扶養者が療養を受ける必要があると認めたときに限り、被保険者資格証明書を有効期限を定めて交付する。
- 被保険者資格証明書の交付を受けた被保険者は、有効期限までの間、被保険者資格証明書の提出によって、療養の給付を受ける資格を明らかにできる。
- 被保険者資格証明書の交付を受けた被保険者は、資格情報の登録を確認したとき、資格確認書の交付等を受けたとき、又は被保険者資格証明書が有効期限に至ったときは、直ちに、被保険者資格証明書を事業主を経由して厚生労働大臣に返納しなければならない。
①③における「資格情報の登録」は、先に解説した「保険者による資格情報の登録」をご参照ください。
電子資格確認等に「被保険者資格証明書の提出」は含まれないものの、②のとおり被保険者資格証明書でも療養の給付を受けられます(被扶養者が受ける療養も同様です)
ちなみに、①による被保険者資格証明書の交付、③による被保険者資格証明書の受領の事務は、機構に委任されています(則158条の3第19号、20号)
具体的な手続きは、下記リンクをご参照ください。
参考|日本年金機構(外部サイトへのリンク)|従業員に健康保険被保険者資格証明書を交付するときの手続き
高齢受給者証
最後に、高齢受給者証を解説します。
- 70歳以上の人は、標準報酬月額(及び所得)に応じて、一部負担金の割合(10割から家族療養費の給付割合を差し引いた割合を含む。以下同じ)が異なります。
- そのため、資格確認書に一部負担金の割合が表示されていない70歳以上の人は、高齢受給者証により、当該割合を明らかにします。
(一部負担金の割合を資格確認書に表示すれば、高齢受給者証の交付を省略できます)
なお、マイナ保険証を利用していれば、一部負担金の割合を判別できるため、高齢受給者証の交付はありません。
交付

保険者は、次の①又は②の場合であって、当該被保険者又は被扶養者が資格確認書(一部負担金の割合が記載又は記録されていないものに限る)の交付又は提供を受けているときは、高齢受給者証を有効期限を定めて交付する必要があります(則52条1項)
- 被保険者が70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合
- 被扶養者が70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合
(高齢受給者証の様式は、則様式10号により、はがき型とカード型があります)
被保険者(任意継続被保険者を除く)は、原則(例外は保険者が認めたとき)として、事業主を経由して高齢受給者証が交付されます(則52条4項)
任意継続被保険者は、保険者から直接交付されます(則52条4項)
(訂正、再交付、検認又は更新における取扱いは、資格確認書の取扱いが準用されています)
返納
高齢受給者証の交付を受けた被保険者が①〜⑤のいずれかに該当したときは、事業主は、遅滞なく、高齢受給者証を回収して、保険者に返納する必要があります(則52条2項前段)
上記の返納の手続きは、協会管掌の被保険者(任意継続被保険者を除く)が①~③のいずれかに該当したときには、厚生労働大臣を経由して行います(則52条2項後段)
- 被保険者の資格を喪失したとき。
- 保険者に変更があったとき。
- 高齢受給者証の交付対象となる被扶養者に異動があったとき。
- 高齢受給者証に記載されている一部負担金の割合が変更されるとき。
- 高齢受給者証の有効期限に至ったとき。
協会管掌における資格喪失や扶養の不該当は、事業主が高齢受給者証を回収して(被保険者は5日以内に事業主に提出)、資格喪失届や被扶養者異動届と一緒に機構へ提出します。その後、機構は協会へ返納します。
なお、任意継続被保険者については、5日以内に、保険者に返納する必要があります(則52条3項)
解説は以上です。
療養費の制度があるとはいえ、保険診療の可否にかかわるため、具体的に何をすべきかが重視される論点です。
テキストを読む際は、「何をするための規定か」を意識して学習してみてください。
(参考資料等)
- 健康保険法
- 令和5年5月31日保発0531第1号(健康保険法施行規則等の一部を改正する省令の公布等について(通知)〔健康保険法〕)
- 令和6年11月29日厚労告349号(健康保険法施行規則第五十三条第一項第五号等に規定する厚生労働大臣が定める方法)
- 令和5年7月10日保発0710第1号(マイナンバーカードによるオンライン資格確認を行うことができない場合の対応について)

